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シーラカンスと黄色い潜水艦
音叉茶
2021/12/24 13:11
two of us
ポストロックから遡って60、70年代のロックへ回帰した回遊魚には、とても気になるタイトルであった。 じつはTwitterでトコちゃんがツイートしているのを見かけた時から気になってはいた。 町を散策していて、何の店だか分からないレンガ造りのシャレた建物のウィンドウにハッとして足を止めてしまう。あの感覚に似ている。 これも何かの縁かと思って、読み始めました。 ――うわの空のあたしは今日もシーラカンスだ。 先ず、この出だしでもう読続決定。 空虚で意味ありげで、続きが気になってしまう最高のセンスの20文字。web小説では、こんな20文字には、なかなかお目にかかれない。 情景描写、主人公の心理、巧みな比喩表現などなど、読みやすい文章で引っ掛かることなく頭に入ってくる。 何よりキャラクターの息遣いが感じられるのが嬉しく、愛おしい作品でした。 ネタバレは控えたいのであまり内容には触れないけれど、一つだけ。(以下、ネタバレ注意です!) 「戦争の歌だよ、それ」 「え、違いますよ。大冒険の歌です」 この二人の出会いが大好き。 実はこの会話は作中において、とても深い。 メジャーデビューした後の、それぞれの世界の見え方が暗示されているのだ。 浅黄にとっては(自己との)戦争だった。 詩愛にとっては文字通りの大冒険で、だから彼女は不完全燃焼に終わった冒険の続きを夢見て待っている。 ジョン・レノンとポール・マッカートニーだって二人でビートルズだったし、やっぱり二人が良いよね。 最高のラブ・ロマンス!
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雪乃かぜ
2021/12/24 14:06
とても素敵な感想レビュー、ホントにホントにありがとうございます😭 大好きだなんて言っていただいて……きっとイエローサブマリンのふたりも喜んでいると思います😢 台詞って、不思議なんですよね……。プロットの時点では、こんなセリフ考えてもいなかったのに筆を進めていくうちに勝手にふたりが会話し始める。そのうちから生まれた言葉が「戦争」と「大冒険」という言葉でした。音叉さんの感想を読んで、書いた本人が自分自身で「なるほど、そういうことだったのか?!」と声を挙げてしまうほどでした。最高のクリスマスプレゼントをありがとうございます。最高のレビュー、一生の宝物にします😭
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