異質な世界観が、上品で優雅な家系の裏に潜む穢れて悍ましい空間描写が、見事 !
 まず、宝塚の女役も男役も、全て女性が熟すというような内容の文章に、気を引かれた。この描写に何の意味が在るのだろうかと思っていたら、それが見事な枷(伏線)に成っていた。  上品で美しい家系の様(さま)が、自分の生活とはかけ離れた優雅な世界観が、ずっと描写されるのかと、嫌気がさし始める頃に、上品な家系の裏の穢れた悍ましい世界が観え始めて、ドラマの世界観に引き込まれる。    文中にホンの一瞬出て来る、ゴンドラの唄、の文字、唄の出だしは   ♫ 命短し恋せよ乙女、紅き唇、褪せぬ間に ♫ だ。  貴族の皇族の、財産家の家庭の娘だろうと、上品で淑やかで知性溢れる 女性だろうと、命短し恋せよ乙女だ。  この小説は、上品で幸せそうな家庭の裏にも、悲壮な世界を潜んでいる事を示唆して、一読する価値の在る作品だと思いました。  素晴らしい物語 ! 有難うございました …… (^_-)-☆

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