祇光瞭咲

少し切なくてすごく愛おしい、二人が運命の出会いを果たすまで
こんにちは。作者さまの大ファンです。 本作も他の作品同様にとても魅力に溢れた作品でしたので、僭越ながらレビューを書かせていただきます。 時代劇から飛び出してきたような古風な口調で話す美少女、香澄。彼女はとある事情から自宅での居場所を失い、行くアテもなく家出を図ります。そんな時に出逢ったのが、達磨と名乗る大男。見返りに貞操を捧げる覚悟で男の家に転がり込む香澄ですが、達磨が今は亡き香澄の祖父の小説のファンであったことから少しずつ打ち解けていきます。 この物語はそんな二人が心を通わせ合うようになるまでの3日間を描いた、歳の差純愛小説です。 まず何よりも魅力的なのは二人のキャラクター。 この小説はとにかく香澄ちゃんが可愛いです。私は女性なので達磨の方に萌えてもいいはずなのですが、気が付けば一緒になって香澄の可愛さにメロメロでした。姫口調、最初は戸惑うかもしれませんが、最後には姫口調じゃなきゃいやだ!にかわっていると思います笑 時代劇の姫のように肝が据わっていて誇り高く、でも本当は単なる純情な女子高生。そんな彼女の健気さには心を打たれ、いじらしさに悶絶します。 相方の達磨はどっしりと構えていて安心感がある反面、考えていることが読めなくて掴みどころのない人間です。きっと彼にも影がある。けれど、今だけは香澄とだけまっすぐに向き合って慈しんでいる、その様子がとても惹かれます。今この瞬間瞬間を楽しめる余裕が素敵です。 二人のやり取りは時にコミカルに、時には刺激的に繰り広げられます。禁断ともいえる歳の差のなかで、少しずつ達磨に心を開き、少しずつ男という存在を受け入れていく香澄。同時に彼女は彼のもとに、新しい居場所を見出していくのです。 表紙絵の香澄、本当に可愛らしいですよね。ぜひ読了してからもう一度イラストをよく見てみてくださいませ。香澄の笑顔、そして構図の素晴らしさの意味がわかると思います。まさに最の高。 また、香澄を取り巻く家族たちのヒューマンドラマも面白いのが、この物語を一層深みのある作品に仕立てていると思います。本作を書かれたのはかなり昔のことだそうですが、この頃から文章は読みやすく巧みで、ストーリーも面白いとは流石ですね。 最初から最後まで悶えさせていただきました。沢山のキュンと愛おしさを味わわせていただきました。素敵な物語をありがとうございました!
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いずひささん……! こんなにも素敵なレビューをありがとうございます! 要約が素晴らしすぎて心の底から見習いたいです……!さすがいずひささん……え、え、物凄く面白そうに見えます……こんな歳の差読みたいです……! 香澄と達磨には愛溢れるお言葉をたくさん……ありがとうございます! この小説は女性向けになると思うのですが、女性に可愛いと思ってもらえるヒロインが書けたのだとしたら……うわあああすごく嬉しいです! 冒頭、姫口調でドン引きされるシーンも書きましたが、非常に痛い女子校生です。それが「姫口調じゃなきゃいやだ!」まで行けたんだと思うと……(涙) 達磨は達磨で、具体的にいいところを挙げる方が難しい
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