sonau

田舎などではあるあるな話だと思いますが、この街中でよくもまあ日がな一日人の家の外回りを見ていられるものだと呆れを越して感心していました。 (この程度ではギリ気味悪く思わない呑気な性分です) 『あなた、いつも居間にある茶箪笥の引き出しに貴重品しまってない?』 突然、御婦人はどこか愉しそうに切り出しました。 『えっ』 その時の私の驚きようったらありません。 私は正に通帳やら印鑑やらの貴重品を居間の古い古い年代物の、すすけた茶箪笥の引き出しに入れていたからです。 『なんでそれを、、、』 『貴女だけではないようよ、あの家の窓から見えるお宅は全て覗かれていたみたい』 さて、この話の結末には恐ろしいオチがありました。 実は亡くなった長年引きこもりのお婆様こそが日がな一日、窓の隙間から近所中を監視していたのです。 そりゃぁ暑い日には簾一丁で窓という窓を大開放していた私の落ち度もあろうかと思いますが、庭の垣根を越してまで他人の家の中を覗いていたとは。 しかもウチの古屋のみならず、近隣の見える全ての家々を、です。 そして見た事の全てを娘さんに言い渡し、娘さんはそれらを隣の御婦人に伝えていたという、、、。 長年この事実を教えてくれなかった気品ある御婦人の密やかな道楽。 善き人の顔をした、罪なき罪の数々を垣間見、背筋が凍った初秋なのでした。 合掌 長くしょうもないお話にお付き合い下さり、ありがとうございました笑 朝晩の気温の変化に風邪などひかれませんよう。   sonau
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sonauさん、こんにちは。 こちらの朝夕はすっかり寒くなりましたが、日によってかなりの寒暖差があり衣替えはいつにするかを思案しています。 ご近所のお話、怖いですね~ 詳細な部分まで見られるのは、よほど目が良いか、あるいは双眼鏡を? お婆様の日々の楽しみ、そして娘さんの楽しみでもあったかもしれませんね(笑) 我が家も常に窓は開いているし、就寝時も開いていますから、本気で覗こうと思えば簡単なこと。 性善説を信じていても、小さい悪魔の囁きに耳を傾けてしまう人がたぶん多くいるんでしょうね。 日常に潜む恐怖とは、露見しなければわからないけど、わかると背筋が冷々します。 そちらではまだ虫の声が楽
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