昭島瑛子

トコさんからプレゼントされた素敵なタイム
エブリスタの名レビュアー・トコダトコさんが初めて書いた長編小説。 感想・レビューを書く一人目が私でいいのだろうかとためらいますが、書かせていただきます。 私が長編小説を書く際に心の片隅に置いている言葉があります。 十年くらい前にテレビの五分番組で見かけた言葉なので正確ではないのですが、ジャズピアニストの上原ひろみさんの言葉です。 「コンサートはお客様の人生から大切な二時間をいただくので、絶対幸せにして帰さなければならない」 長編小説は書くのはもちろん、読むのも時間がかかります。作品を読んでもらうというのはその人が他のことに充てるはずの時間を自分の作品に割いてもらうことです。なので「読んで損した」という気持ちにだけはさせたくないと思っています。 『プレゼント・タイム』を読み終えたとき、私はこの作品が読めて本当に良かったと心から思いました。すべてがハッピーな時間で満たされた作品ではありません。辛いシーンもあります。でもその辛さに心を揺さぶられ、辿り着いた先にはペコメでは収まらないほどの感動がありました。 教科書に出てくる単語が随所に散りばめられ、物語に有機的につながっていくのは現役高校生ならではのみずみずしい感性だと思いました。 初めての長編なのに作者が物語に振り回されて破綻することはなく、トコさんの豊富な読書経験から得られた「小説とはこうやって読者の心を動かすものだ」という法則が決して見せびらかすことなく盛り込まれています。 冷めた高校生・アイと、その友達と家族を巡る物語のラストは、この登場人物たちを追ってきた者だけが味わえる感動に溢れています。トコさんから充実した読書体験をプレゼントされた気分でした。 トコさんの親御さんとほぼ年齢の変わらない私から言わせていただければ、自分を表現する手段は多ければ多いほうがいいです。「これがだめでもこれがあるさ」となれば、人生の幅が広がります。 改めまして、小説執筆の世界へようこそ。作家・トコダトコをこれからも応援させてください。
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大変興奮しています。 愛情こもった素敵な感想・レビュー、本当にありがとうございます! 昭島さんのような素敵な作家さんにお読みいただけただけでも本当に素敵な出来事なのに、まさかこんな素晴らしいプレゼントをいただけるなんて、本当に夢のようです。 「読めてよかった」「充実した読書体験」。こんな嬉しい感想、いただいてしまっていいんでしょうかあああぁいぁあ←興奮 技術的な不足や未成熟な部分がまだまだ多くある書き手であると自ら分かってはいますが、初めて取り組んだこの長編はとても思い入れがあり、生涯忘れられない執筆経験になったのは事実です。 初めてぐらいに、自分の書いた小説を「たくさんの人に読まれた
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>サブタイトルを全て素数だけを使った計算の答えで章名を記していた 今気づきました!!! サブタイトルの数式がその章の物語に絡んでいることには気づいていたのですが、計算の答えが1章、2章となっていたんですね。 それで9章を「Q」にするセンスが素晴らしいです。 サブタイトルと物語の絡め方も秀逸でした。「37-29」だけ数字が大きいから何かと思っていたら最後に「これか!」となりましたし。 野暮でも拘りを全部聞きたいですねw 初長編でこんなにすごい作品が書けたら「読んでほしい!」と思うのは当然だと思います。 今後の作品も楽しみにしています。無理せずマイペースで楽しく執筆してみてください♪
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