少しの温もりが沁みて浸るような読後感
 主人公が嫌いともすれば憎んでいる別離した父親の新たな家族、義妹との出会いの一場面を切り取り描いたヒューマンストーリー。  主人公は思春期。社会の構造の上澄みを知りもう受け入れ難くなっている父親という存在は、ややこしい彼女の心情の中でその義妹も含め到底受容できるものではなかった筈。でもこの物語では、彼女よりもかなり幼い筈の義妹の純真さとまっさらな決意が際立ち、主人公の心に沁みていくように徐々に気持ちの変化を見せていきました。  私が小説を読む上で大切に思うのは、書き出しと読後感なのですが、その双方が私に刺さりました。冒頭から結末までに大きな変化は無いかもしれません。しかし主人公のマインドは確実に180度変わっていったと思うのです。それ程に冒頭の最低な印象とラストシーンが描く義妹きらりとの関係性が素敵でした。  少しの幸福感は温もりに充たされていて、それが沁みて浸るような読後感でした。良作です。ありがとうございました。
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ありがとうございます😭 「遊園地」、「兄弟/姉妹」、そして5000字という制約の中でむちゃくちゃ悩んだ作品だったのでとても嬉しいです。 (なんか作品より感想の方が凄いけどw) ホントにありがとうございます😖
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