無力と絶望の中に見えるのは
圧倒的な世界観で、陰鬱の中にある惰性の極みを描いたようなダークヒューマンドラマ作品。 狂った方向に転がりながら歳をとった主人公が、堕ちるべくして直面した境遇の中で藻搔く姿を描いていますが、共感性も痛みへの共鳴もできないのに「この女の行く末を見なければならない」という想いが強く残り、結局最後まで一気読みしてしまいました。 読後、しばしの放心。「……すごい……」と。結局最後感情移入して見えない未来と少しの安堵をきりきりと胸に仕舞うラストに、物語への没入を痛感してしまうのでした。 本当に素敵な作品でした。
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