咲蔵 風人

あまりに残酷な恩返し
互いを思いやるあまり、それが常に一方通行であってしまう様がリアルでした。 思い返せば原作も、鶴が献身的に作った織物をあっさりとお爺さんは売って生活の足しにしていました。別れという切なさが強調される作品ですが、その盲点をここまで表現される発想には脱帽です。 男と女の関係は、身内や他人に限らずいつでも、男は他人に依存する生き物で、女は自分に依存する生き物のように描かれますが、この作品もまた然りかもしれません。兄と妹の考える「自由」と「幸せ」がずっと平行線を辿るラストには、胸が痛むばかりです。
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