二葉みどり

どんどん2人に夢中になる物語でした
読了しましたので、僭越ながら感想を書かせていただきます。 まず冒頭、独特な口調で話す香澄と電話でやりとりする達磨という男が電話でやりとりをしていましたが、香澄はなぜこんな口調で話すのか、そして、どう見てもただの友達ではなさそうな達磨という男は何者?と一気にこの二人に興味をそそられ、気づけば本棚追加していました。 それから、2人が出会い少しずつお互い心を通わせていくのですが、蓋を開けてみれば香澄のあまりに辛い現実が見えてきます。時々独り言のように漏らす香澄の言葉が、本当に胸に刺さりました。生まれてくる子供にはなにも罪もないのに、気味悪がれ、明らかに拒絶する今の母親とその影響か少し歪んだその2、3番目の息子たちの間でずっと耐えなければならないのは、香澄にとってあまりにも不条理だったかと思います。ついには家出をしましたが、そこで達磨に会わなければどのような道を辿っていたのかとゾッとします。 一方、達磨はそんな香澄を優しく受け入れ、ひとりの女性として見つつも、未成年であることも考え、少しずつ距離を縮めていく様は達磨の器の大きさを感じました。しかし、彼はなかなかつかみどころのない男で、稀に見せる達磨の影のような部分と、妙に広い部屋など、作中では詳しく語られていない達磨の過去や心情について想像を掻き立てられました。最初は大男?大丈夫なの?と不審感を持っていましたが、そんなものは全く不要でしたね…むしろ終盤は達磨に夢中です✨ この2人のやりとりが甘く、ときにシリアスに、しかしコミカルな場面も組み込みながら描かれた作者様の構成は、読者としてもとてもバランスが良く、終始夢中になってしまいました。 それに、香澄の心情がとても丁寧に描かれて、自分もその場にいるような感覚にさせられます。その臨場感と、多彩な表現には脱帽です🙇‍♀️ 終盤には一体どんな形に落ち着くのがベストなのかと、私自身も葛藤し、香澄の幸せを願いながら読み進めていました。 このような素敵な作品に出会えたことを感謝いたします✨
1件・1件
二葉みどり様 「姫君香澄」に素敵なレビューを頂き、ありがとうございます! 香澄も達磨も決して万人受けするキャラクターではなく、しかも体格差、(趣味爆発の)年の差ということで、最初にご興味を持って頂けたことがまず奇跡的でありながら……最後までお読み頂き、更にはたくさんのペコメまで🙏(毎日めちゃめちゃ喜んでました……!) とてもとても感激しております!😭✨ 香澄の境遇について深く想ってくださったのがすごく伝わってきます😢 本当に、生まれてくる子に罪はありませんよね。愛洲時茂は二葉さんと同じように考えて赤ん坊を引き取ったのかなぁとふと思いました。 そして祖父に深く愛されて育っただけに、彼の死後、
1件

/1ページ

1件