傷一つ付けずに上手くドラゴンを倒したので、剥製にしたいです。 しかしやり方が全くわかりません。 そこで調べれば世には剥製師という職業があるそうで、とりあえずドラゴン持参で訪問してみましたが、剥製ナメんな、このVRだの3Dプリンターだの言ってる時代に生の動物の死体を加工して飾るなんて悪趣味極まりない、的な説教を、剥製師を目指すきっかけから剥製の哲学など絡めつつまぁまぁ長尺で語られました。 それをなんとか切り抜け、ドラゴンは空想上の生き物だから生の動物じゃないし大丈夫ですよ、などと頼み込むと、珍獣の剥製化に職人魂が反応したのか、今回だけだからな、と彼はドラゴンと向かい合いました。 剥製というのは、正中切開して内蔵を抜き、皮から骨を剥ぎ取り、完全に皮だけの状態にすることから始まります。 おおよその刃物など通らない硬い皮膚を切開するためにオリハルコン製のチェーンソーを持ち出し、ビル解体にでも使うような重機を数台乗り換えながら処理を進める姿に、これ絶対本来の剥製作業じゃないよな、とは思いましたが、辺り一面を血の海へと染め上げながら、無事にドラゴンは野球グランドぐらいある皮の敷物となりました。 この皮から丁寧に油や肉を除去しタンニンやクロムなどを染み込ませてコラーゲンと結合させ繊維構造を安定化させるなめし工程を経て、ドラゴンの型に被せて縫合する、というのがおおまかな流れです。 ドラゴンの型?と首を傾げる私に、剥製師は無言で鉄骨を何百何千と溶接し始めます。 これ絶対本来の剥製師の仕事じゃないよな、とは思いましたが、もはや巨大なアートとも見えるその鋼鉄のドラゴン型に息を呑みます。 そして皮を被せ縫合する作業を眺めながらふと、わざわざ体を空っぽにして、そこにわざわざ作った型を入れて元に戻すとか意味わかんないなぁ、それに大き過ぎるし持って帰っても置く場所無いなぁ、いらないなぁ、などと身も蓋もない思いが頭をよぎりました。 あ、そうだ、ここで四段落ほど申し遅れましたが妄コン「染まる」に御入選の皆様へ祝辞を致しましょう、おめでとうございます。 惜しくも逃した方々におかれましては、抽選で一名様に有り難い聖なるドラゴンの剥製をお贈り致します。 確かドラゴンって執筆の神様でしたよね、これで次回受賞間違いなしです、必ず受け取っていただくよう宜しくお願い致しますぅ( --)ノノ
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申し込みます! 当たるといいな🦕🦖🐉 裏庭に飾ります(^O^☆♪
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ただの剥製では物足りないのでこっそり火炎を吐く機能も付けておきましたよ( --)ノノ
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これは……ドラゴ〇ンズファンの方には願ってもいない守護神像となることでしょう! そちらの方面から、申し込みが殺到しそうな予感です✨
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ドラゴンサイズのハッピとか着せられてしまうのでしょうかね(笑
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