ひまわり

圧巻の世界観と感動のラスト
読了しました。 相変わらず、背景描写、心情描写ともに素晴らしい作品でした。 正直、小説を読んでこんなに泣いたのは初めてです。 切なくて苦しくて、それでも優しくて温かくて。 とにかく、物語の中で紡がれる登場人物の思いに最後まで一喜一憂した作品でした。 描かれる世界観は全体的に仄暗く、始終そばに闇を感じます。 その闇の中に篝火が灯るように、物語が紡がれ、最後に目の前が一気に晴れるような光に包まれます。 物語の最後も太陽の光が見えるのですが、たぶん、こういうのを感動、というのでしょう。 二人が迷って、傷ついて、泣いて、後悔して、苦しんだ先に見えた最後のあの景色は、ともにこの物語を辿ってきた読者も同じく、目を見張るものがありました。 順を辿って感想を。 陽向くんの炎の一族という立場と楓くんの黒鳥の立場のせいで、二人の状況が苦しいくらい真逆を行くという世界設定。 読み進めていくたびに「なんで、陽向くんは炎の一族だったんだ」って、そのどうにもできない状況にやるせない気持ちが抑えられませんでした。 救いたいと思うのに、一緒にいたいと思うのに、一族の立場が、力が互いの距離を遠くしてしてしまう。 愛で簡単にハッピーエンドなんてご都合では終わらないのですよね。 ストーリーが進めば進むほど、がんじがらめになる状況の中、様々な秘密が明かされ、それが更に二人の関係を拗れさせていく過程に「世界って理不尽だな」って何度も何度も思わされました。 それでも、ずっと最後まで楓くんを思い続ける陽向くんの想いが尊いです。 拒絶されてもそれでも、相手を思い続ける。 好きだからこそ、辛い状況でもあるんですけど……。 ただそんな中、陽向くんの一族が黒鳥の一族と体の関係を持つことで寿命を縮めてしまう、という衝撃的真実が発覚したときには目の前が真っ暗になりました。 え?好きになっても愛し合うことすら、相手を苦しめてしまうの……? なんという残酷な運命なのでしょうか。 そんなのあまりに悲しすぎる。 悲しすぎて、現実を受け止めたくない私がいました。 →続きます……
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ですが、この世界観、私は大好きです。 どうにもできない状況だからこそ、そこからお互いが苦しみ、悩んで、泣いて、その最後に確かな愛を見つける。 そうした先に待つラストは本当に感動しかありません。 すごいなぁ……という一言です。 時見から明かされる炎の一族の力の真実、地底に下がらせるように命じた理由には流石に驚きました。 それと同時に、疑問に思っていたことにピッタリとピースがハマるような感覚。 そういうことだったのか、と思わず呻りました。 ゆいさんが紡ぐ言葉や物語はどれもこれも読者に強く訴えかける想いのようなものが溢れており、深く胸に突き刺さります。 二人の罪はたぶん、一生消えず残り続けると
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ひまわりさん!感想……!あの、こんなに素敵な感想を本当に本当にありがとうございます(泣) 実は昨日ひまわりさんから感想いただいていたのに気づいて拝読していたのですが、こんなにもこんなにも心のこもった感想をいただいて胸が一杯で、嬉しすぎて涙が出てしまって……うまく言葉が紡げなくて(今も書きながらまた泣けてしまっています) お返事がとても遅くなってしまったこと、本当にごめんなさい。 私にとってこの物語は実はとてもとても特別でした。 少し自分の話をしますと、一年前、この物語を書く少し前、私はいろいろなことに疲れてしまって筆も折ってもいいかと思っていました。 私の作品など誰にも求められまい、と思って
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