昭島瑛子

これ、気軽にペコメできない作品ですよトコさん
ということでちゃんと感想書きます。 大学生の柊と、五年交際している恋人の志帆。 柊の親友拓真と、その恋人の渚。 四人が互いのパートナーを交換して行為に及ぶという物語の展開は、もしかしたら一定数の読者は受け入れられないかもしれません。恋愛関係とは唯一無二の相手と強固に結びつくもの、という世間一般の考えとは相反しているからです。 その「世間一般の考え」の脆さをトコさんは描きます。 衝撃的な物語でありながら、トコさんの筆致は冷静です。志帆が拓真に抱かれることへの絶望も静かに描かれていきます。 それはこの作品全体に流れる水のイメージの影響もあるのかもしれません。 温くなったホットラテや気の抜けたビール。「塵も積もれば山となる」の類似表現である水にまつわる故事成語たち。 そしてキスで消えてしまう泡。 「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」 そんな一文も浮かんでしまう作品でした。
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とってもとっても素敵な感想・レビュー、ありがとうございました! こんなコメントしづらい作品なのに……と思うと、さらにめっちゃ嬉しかったですw 「過激表現あり」に挑戦すると決めた時に、背徳性というか常識の脆さみたいなものを生々しく描くのが「いちばん面白い!」と思ったんですよね。性表現がそれにあたるかはちょっとチャレンジでしたが、手段がそれだったというだけで真に描きたかったものはちゃんと表現できたかなー、とは思っています。 それと、拘った「水泡」について。 水にまつわるものを極力取り入れ、透明さよりも泡にある濁りや歪みや不透明さで、その「詳らかでないこと」を表現に組み込みました。めっちゃバレて
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今回のトコさんの作品のように読者を爽快なラストに連れていかない作品は、まずそれを書こうと思うのがすごいです。 コンテストや公募向けに作品を書いているとどうしても冒険しづらくなりますから。 私はWeb小説を読むときには作者の思いやこだわりを汲み取りたくなってしまいます。 『プレゼント・タイム』のときにトコさんはいろいろとこだわって書いていると知ったので、当たって良かったですw そんなに喜んでもらえると感想を書いた甲斐があったなとこちらも嬉しくなりました😊
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