如月六花

これまでにない視点から見る沖田総司の物語
夢か現か……一口で夢と片付けるにはあまりにも重苦しく、しかし現実と言うには不思議すぎるお話でした。 新選組という組織は青年達の希望と、理想を求めたがゆえに歩んだ血塗られた道という両極端な側面を持っています。 そして沖田総司という人物が創作の中で好まれるのも、鬼の如く強かったにも関わらず早逝であった悲劇の人、その反面、子どものように無邪気であったことが理由だと思われます。 今作の沖田は、迷いがある。 自らの政治思想を持たず、ただ信じる人のために刀を振るう。 けれどその血に塗れた生き方に対する疑問と、同時に己の強さや死線を掻い潜る生き方に対する陶酔も持っている。 この複雑さが、彼のもとに留香さんを呼び寄せる事になったのではないかと思うのです。 留香さんは彼にとって母のような、姉のような立場で、ともすればバランスの崩れそうな彼と共に泣いて笑って、時に励ましてくれる存在。 史実として伝わっていることと少し違うこの世界で、彼らの体験したこと、思う事…… 戦いばかりでなく、日常の中息づく青年達の生きた記録。 これまでにない視点から見る新選組、沖田総司の物語でした。 初めての完結、お疲れさまでした✨
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素敵なレビューをありがとう!(´▽`)ございます。 本当に初めての作品なので、読み返すのも恥ずかし出来なのに、感謝です。
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