吉田安寿

トピックへのご参加ありがとうございました<(_ _)>
かなり読み応えのあるお話でした。全編をとおして外国文学のような趣があり、自己の幸せよりも相手の幸せを願うという究極の愛情は、オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』や『よみがえった改心』を彷彿とさせます。特に『誓い合った者同士』のあたりからルドガーの心情に変化が起きてきて、どんどん物語に引き込まれていきました。 ルドガーは前半、ちょっと嫌な子でしたね(すみません)私生児として生まれ、不遇な環境で育った彼は、きっと愛に飢えていたし、それがどういう物なのか分かっていなかったのでしょう。ロベールの目に留まり、取り立ててもらったことで恩を感じ、彼のために尽くそうとするルドガーはどこか痛々しい感じがしました。保身と養子になることしか考えられない必死さが可哀想で……。 そんなルドガーがランバルトに仕えるようになり、彼の人を救いたいという生涯の目的とその背景に触れ、少しずつ変わっていく。初対面で無礼な態度をとったエレーナに助けられ、貧民街のみんなと食事をするシーンはとても良かったです。彼は本来素直な性格で、周囲の人に影響されるタイプなのでしょうね。 ランバルトはとても魅力的なキャラクターでした。一見華やかな彼ですが、悔やんでも悔やみきれない過去がある。そこから無償の愛を知り、経験として学習し、揺るぎない信念を手に入れたのでしょう。エレーナとの関係性もステキでした。同志であり、ソウルメイトでもあるのですね。 苦労ばかりしてきたルドガーには幸せになってほしい! と思っていただけに、ラストでの選択には驚かされました。でも彼は、お金では買えない、かけがえのないものを手に入れたのでしょうね。まさに『ボロは着てても心は錦』。彼の精神こそ君主の息子にふさわしい。かつては『自負』だったものが『矜持』に昇華した素晴らしいシーンでした。 気になったのは冒頭~数ページでしょうか。削れる部分や、もっとふさわしい表現があるのでは? と思われる箇所がありました。この物語を書き上げた作者様ならば、必ずや気が付くものばかりです。ぜひ推敲なさって、この名作をよりブラッシュアップしてください。 ありがとうございました。
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感想をありがとうございます。 外国文学のような趣と過分なお褒めの言葉に感激しています! 丁寧に読み取ってくださったことがひしひしと伝わってきて、嬉しさのあまり何度も読み返しました。 前半のルドガーは自身の欲を追っていることを描いたので、おっしゃる通り嫌なキャラでした。それが変わっていく様子や、後半に目覚めるシーンに強い印象を与えられていたのでしたら幸いです。 ラストまで読んでくださったのでお分かりかと思いますが、この作品は最後にタイトル回収があります。なのに冒頭から数ページに改良の余地があるのでは、最後まで読まれるのは難しいですよね。 今の自分の力量ではどの辺りを直すべきか発見出来ないので
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ご丁寧にありがとうございます(*^▽^*) ルドガーの嫌な子からの変化はとても効果的でしたよ✨ 最初はランバルトが妙案を思いついたところで、「なるほど。それでルドガーが君主の息子になれるのね」と思っていたので、そこからの二転三転はお見事でした。 推敲の件ですが、例えば冒頭の部分ですね。物語の始まりなので、もう少し映像的にというか、インパクトを強めたい感じがしました。 例えばですが、私でしたら「ルドガーが扉を開けると、彼の視界はたちまち翡翠色でいっぱいになった。何事かと一瞬足が止まったが、この部屋の主の意向で床が新装されたのだと思い返す」などといった感じに始めるかな、と思います。 少しで
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