小池正浩

 どうでもいいっちゃどうでもいいんですが、というのも学校なんて行きたくない人はsuicideしてしまうくらい苦にしてまでむりして行く必要なんかないし、学歴で人の一生がほとんど決まるって強制されるのもそういう社会的な制度や価値観ごとまちがっているので、としても学習する場が現にいまも存在してある程度それに従わなきゃならないっていうなら、せっかくだから義務教育の必須教科に「哲学」はあったほうがいいと個人的にずっと前からおもっているんですよね。哲学ってギリシャのイメージが強いでしょうけど、じつは古今東西あらゆる学問の大本も大本、基本のキ、いわばスタート地点なんです。イデオロギーとか思想とか系統的なものから、成功者のポリシーや人生訓みたいなものまで、哲学ってなんか難解で面倒くさそうな主義主張か、自己啓発ふうの精神論的な解決方法のようにおもわれているっぽいですが、ぜんぜんちがいますからね。哲学ってもともと本義は〝考えること〟なんです。決まり決まった答えをあたえるものでも、えんえん悩むものでもない。シンプルに、何にでも疑問をもって自由に考えてみるってことを意味するし、それが意義なんです。思考力を鍛えたり懐疑する方法論を磨いたりするのが哲学。だから誰でも学べるものなんです。そして誰でも身につけておいたほうがいい。ちゃんと自分で考え、しっかり自分で答えをだして、決断なり選択なりするための、とても大事な基礎となりますから。  もうひとつ。いいかげん、そろそろ「ミラーニューロン」という科学的知見も常識にしたほうがいいです。もしかしたら世知にうとく僕が気づいてないだけかもしれませんが、ミラーニューロンって言葉をふだん、ぜんぜん目にすることも耳にすることもないのがめっちゃ不思議です。だってこれ、心理学や精神医学や生物学など脳神経科学の関連分野のみならず、歴史、文化人類、言語に文学、音楽や美術といったアート全般、それこそ何にでも関係するし謎を解く最重要のキーにほかならないですからね。これひとつで人間とは何か、社会とは何か、言語とは何かといった長年かつ積年の難問がきれいに氷解する可能性が高い。人類史や芸術の概念や教科書をみんな書き替えてしまうほどの、いやとっくに書き替えていないとおかしい、とてつなくもの凄い大発見、重力とか遺伝子とかとおなじくらい、知らなきゃ恥をかくというか、ぜったい損をします。
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