感想(前半)
感想を書くかどうかかなり迷いました。 それは私が恋愛にあまり興味のない男性であり、しかも女性視点の一人称小説をほとんど読んだことのない人間だからです(つまりこの作品の読者としてはあまり相応しくない)。 それでも感想を書く気になったのは、作者が小説というものに真剣に取り組んでいる姿勢が窺えたからです。 前置きが長くなりましたが感想にいきます。 まず文章。 かなりしっかりした文章を書かれていますね。単純に誤字脱字文法ミスがないというだけでなく、一文の長さや、語順、修飾・被修飾の位置関係など、読みやすさを考えた上で文章が構築されている。もし何も考えずに天然でこの文章をすらすら書いたのだとすれば羨ましいくらいの文才です。また、推敲を重ねて練り上げられた文章だとしたら、その努力と真摯な姿勢に敬意を表します。 やや多めに使われている体言止めに厭らしさを感じないのは、女性視点一人称の効果なのかもしれません。 文章に関して私から指摘できる点はほとんどありませんでした。良い文章です(女性視点一人称を読んだことのない人間が偉そうに言うことではありませんが笑) 次にストーリー ストーリーに関してはこの時点では何とも言えないというのが正直なところです。 このストーリーの核をなす部分は、世間知らずな貴族のご令嬢が剣闘士にまで身を落とす(逆に言えば自立した強い女へと成長していく)過程を描いていく部分にあると思いますが、肝心のその部分がまだ描かれていないからです。まだ続きが書けていないのか、書けていてあえて公開していないのかはわかりませんが、肝心な部分を読んでいないので評価ができません。ただ、最初に成長した主人公を見せる構成は巧いと思いました。この作品はWeb小説にしてはかなり細かく描写がなされている。私のように書籍の小説を読んできた人間にとっては丁度良い厚みでしたが、Web小説しか読んでいない人には冗長と感じられるかもしれない。そんな読者に成長した主人公を最初に見せることで、どういう経過を辿ってこのように変わったのだろう?という興味を持たせ、続きを読ませることに成功している。
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感想(後半) 次にキャラ。 主要人物三人はかなり丁寧に書き込まれていて好感が持てました。三人というのも良いですね。序盤でわんさか人物が出てくると混乱するし、一人一人の識別が面倒になってくる。 人物名が割と似通っていて、もう少し区別しやすい名前の方が良かったかもしれない、と思って少し調べてみたんですが、古代ローマの人名ってみんなこんな感じなんですね笑。命名にかなり厳格で面倒くさいルールがあるということも知りました。勉強になりました笑 しいて言うなら、三人揃って好い人すぎるかな、と少し思いましたが、これは私個人の好みの部分が大きいのであまり気にしなくていいです。ただ、魅力的な悪役が居ると物語に厚
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初めまして、春紫苑と申します。かなり長文の感想、ありがとうございます。嬉しくてすでに何度も読み返しております。 女性視点一人称の小説って、昨今あまり見ないかもしれませんね。かつてはティーンズハートだとか、中高生用の恋愛小説などでは見かけました。 ファンタジー小説だとフォーチュンクエスト辺りが有名かもしれませんが、私の文体はかなり主人公の思考や口調に寄せてあるので、また独特かもしれません。 男性には馴染みがないであろう女性視点の一人称小説をなぜ読もうと思っていただけたのか、ちょっと理由を聞いてみたいなと思いつつ、お返事タイムです。 こちらの物語は、同人誌として紙書籍化しようと準備していたものに
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