おつかれさまってなんだろう
「お疲れさまです」 職場で、学校で、友人へ。何の気なしに交わされる言葉、口からこぼれでる言葉。わたしたちは日々疲れている。 「お疲れ様です」から始まるメールを送る。「ご自愛下さい」と結んだメールを送る。受信をする。ただの定型文。画面に目を滑らせて、六文字以上の情報を受け取らないようにしながら、日々はただすぎていく。 本作は、六年前のリメイク作品だ。 主人公は美容師である詩歌、技術がある中堅どころといったところか。 「好き」や「憧れ」だけではなく、大人になるということはその裏に隠れた責任や重圧を引き受けることでもある。求められる経営的な視点、うまくいかずに終わった恋愛、唯一深く息を吐ける浴室に行こうとすれば家族はいい顔をしない。少しづつじりじりと立っている場所が削られていくような感覚は正直誰しも覚えがあるものだろう。 ご自愛ってなんだろう、と社会人になってからずっと思っていた。 ふと思った。自分を愛するということは、自身の疲れにきづいてあげることなんじゃないだろうか。だけど自分の疲れは気づかないうちに心の奥底に累積しているから、他人からの労いの言葉で初めてそれが溶け出て溢れるのだ。 自分の疲れを認めて、ねぎらって、愛して、そうやって自分を肯定してあげること。自分と他人の間にうまく線を引けること。息継ぎができる場所を探すこと。大人になるってきっとそういうことでもある。 「お疲れ様」の言葉を詩歌は元同僚の弘樹にかけられるわけなのだけど、その先。 前作で「やってみよう」と決断をした詩歌のその先、成長した彼女の更なるひとつの決断とその先は、ぜひお読みいただいて確かめていただきたい。 あー、なんだか髪の毛、切りたくなってきたな。
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レビューありがとう!! 「ご自愛ください」って私古き良き日本語だと思ってたから、定型文って感覚なかった😮そこにまず驚いています笑 いやぁ、この作品、前編である6年前の作品の時もスランプになりかけで必死に書いたんだよね😭もうほんと足掻いて足掻いて書いてて✒️ 今回は6年前の私に負けない文章力との戦いで…とにかく、この作品は必死に書いたという思い入れと、伝えたいメッセージへの思い入れとで本当にお気に入りの作品でした(´;ω;`) だから、メッセージがちゃんと届いたんだなっていう喜びが凄く大きくて、めちゃくちゃ嬉しいレビューだったよ🤭本当にありがとう! またこの作品に負けないくらいの作品、頑張
あ、ちなみに詩夏と裕樹ね!笑

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