より青いリアル
 青春小説ではありますが、さりげなくリアルが見える部分が青く刺さる良質な人間ドラマでした。めちゃめちゃ面白かったです。  多面的に才能溢れる主人公が初めて感じた敗北感は、演劇部の同級生女優に敗れた事で生まれました。衝突を経て最後に互いが認める戦友となるまでを描いていますが、その先の未来が見えるラストシーンに繋がるまでに描かれた場面が「色々な意味」で瑞々しく、未成熟な故の痛々しさや世界の小ささ(サイズ感)に共感を抱いて読みました。あぁ、こういう世界だったな、というノスタルジー。  総演の場面。全力で会心の演技を披露した後に突き付けられた結果は、物語の安易な大団円に締め括られるものではなく、翻ってより青いリアル感を見せたように思います。栄冠を勝ち獲れるのは限りなく少数の強者であり、そういう現実味を持ってよく考えられた展開だった事は物凄く私好み。ラストシーンがより際立ち映える効果にもなり、爽やかな感動を持って読み終えました。  二人の未来を想像し、幸せに浸れる、素敵な読後感をいただきました。  ありがとうございました。
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トコさん、レビューありがとうございます。 伝えたかったことを全て読み解いていただき、感無量です。 特に「未成熟な故の痛々しさや世界の小ささ(サイズ感)に共感を抱いて読みました」というお言葉がとても嬉しいです。 「幼さゆえに人を傷つけてしまう」「学校を世界の全てだと思い込んでしまう」という危うさと視野の狭さは青春小説を書くにあたって外せないところだと考えているからです。 本作をトコさんのような方に読んでいただけて光栄です。 「青いリアル感」というトコさんらしい瑞々しい表現が好きです。 「栄冠を勝ち獲れるのは限りなく少数の強者」とトコさんが仰る通り、勝負の世界は甘くないものだと考えています。 数
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