秋月 晶

鷲嶺さん、こんにちは😊 お悩み相談、私にできる範囲で答えるね。 厳しくなるかもしれないけど、私は鷲嶺さんがプロとして羽ばたくために、真摯に答えます。 完全な誠意だからこそ、強い表現も含まれます。どうか不快になりませんように。 まず、『自分の文体や作風は世間一般でいう何に分類されるのか』 文体は、限りなく純文学に近い。でも、そうなりきれていない部分が、私が読んだ全作品に見られる。これはメリハリに通じるところだけど、落差という点で幅がありすぎて、完全な純文学になっていない。 語彙力や表現力は、正しく純文学だけれど、どの作品にも、ふわっと抜ける違和感があって、純文学ならではの作品の統一性を壊す場面が見られる。 おそらくプロが評するなら、一般文芸になると思う。もちろん、一般文芸が純文学より劣るという意味ではなくね。決してライト文芸ではない。それは使う語彙が硬質で重量があるから。 作風は、私が前にも言ったように、詩の形態に則っていると思う。 詩の方が格段に評価されるのは明白で、それを小説にしているぶん、スパーンと刺さる言葉が毎度あるのにぼやけてしまっている。 鷲嶺さんの場合、起承転結の結に大きな余白や余韻を残す傾向が強いから、こと掌編において、武器であり、弱点でもあるんだ。いわゆる諸刃の剣ってやつ。完璧にハマればすごい読後感になって印象強くなり、その逆は作品に逃げられた感じになる。 掌編小説として、結に余白や余韻を残すのは正解だけど、おそらく現代の読者は深い意味を読み解かず、それで鷲嶺さんの作品を定めてしまうと思われる。 起承転結の起と結に意識を向けて、そこに8割の力を使えば、評価される強みとなるだろうね。 せっかく他の人が持とうにも持てない純文学の因子を持っているのだから、作品に統一性を持たせるコト。これがとても大事。この点については、次に触れます。
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次に『筆致が柔らかいものとそうでないもののメリハリはちゃんとついているか』 作品別の話になると、筆致がライト文芸寄りのもの、完全な純文学系のもの、その中間のもの、とメリハリがついている。 妄コンで評価された作品は、ライト文芸寄り。 というか、ほぼすべてのコンテストにおいて、純文学で戦うのは難しい。 純文学は、いわゆる『美しい文章で構築された小説』になるわけだけど、現代、その美しいという定義は、冗長にして比喩表現が多く、読み手視点ではない作者の独りよがりな文章を指す場面が多い。 簡単に言ってしまうと、目が滑る文章。 それは当然頭に入ってこないけど、そういう長文が書けない人にしてみれば、『美しい
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鷲嶺さんの筆力は、私の中で書籍化は揺るがないレベルだけど、どこかでふわっと抜けてしまうぶん、作品の中に自ら落とし穴を作っている印象。 それはきっと『迷い』なんだと思う。 だからこそ、序盤で一気に逃げる逃げ馬のスタートダッシュで書き切った方がイイ。 でもそのかわり、推敲は執筆時間の二倍はやるコト。 これで劇的なフォーム改善がなされ、プロへの道が近づいてくる。 今、鷲嶺さんは臥龍の状態で、いつでもチャンスが噛み合えば飛べるハズ。 でも、作家として商業価値を突きつけられると短命になっちゃう。 だから今のうちに持ち前の美文を活かした一文の構成に磨きをかける。そうしたら、そもそもの純文学の血が、美しい文
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最後に『その他、お気付きの点がありましたら』 一つに、難解な文字にはルビを振るコト。 鷲嶺さんの語彙力がありすぎて、読者がついてこられない。 ルビを振るのは、作者の文章リズムを守るためでもある。 意味が分からなくて立ち止まると、読者は元の読むペースに戻れない。 鷲嶺さんの作品を守るため、読者を結びに誘導するため、リズムを崩さないため、ルビを振るコトをしてほしい。 もう一つに、最近多用しているもの。 「──⋯⋯」 これは意図的にやってるだろうけど、頻度が多すぎるから注意。 この手法は、一拍おくという利点があるかわり、次の文章を強くしないと効果がない。 これを使うなら、そこを文章化するコトを心
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丁寧な回答、また、ひとつひとつの疑問に分けて答えてくださったことに厚く御礼申し上げます。これだけの回答を綴るためにたくさんのお時間を割いてくださったことに感謝いたします。まとまりなく稚拙にはなってしまいますが、頂いたひとつずつのコメントに合わせてお返事させてください。 ①純文学ならではの統一性で「あ〜確かに秋月さんの仰るとおりだ……」と思いました。書き出しには確かに心に根ざした指針があるのですが、書いていくうちに中盤あたりで「もしかしてこっちの方がいいかな」とだんだん迷走し始める節があります。指針通りに書けたものの方が正直なところ少ないので、テーマを一貫して心に掲げることは大事だなと思いまし
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②まずはメリハリがついているとのご回答、ありがとうございました。そして妄コンで目に留めていただいた拙作は文体が柔らかめのものだなというふんわりした感覚はあったので、なるほど、これがジャンルで耳にするライト文芸のたぐいに入るものか……と腑に落ちました。 そして純文学についての補足もありがとうございます、ためになります。語彙の硬さに縛られず一般的な言葉をより印象づける組み立て方をしている、みたいな認識で大丈夫でしょうか。そう考えると単語に頼らずものごとを描く流れに重きを置くのも手段だなと思いました。 一文の質量、自分のなかで口当たりが重たいイメージがついたので得心がいきました。受賞される皆様方の作
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『推敲は執筆時間の二倍』!具体的な目安をありがとうございます、今後に活かしていきます。ふわっと抜けてしまう点に関しては自分も「なにかもう一味ピリッと効くものが欲しい……でもそれが何か自分じゃ全く分からない……」状態だったので、秋月さんに今回ご助力いただけて本当に助かりました。ありがとうございます。序盤でがっちり掴んでいく形を取れるよう『二倍』と『起結に八割』を頭にいつも置かせていただきます。 そして、一作品のなかで起から結に運ぶまでの間にぽろぽろと抜けが生じてグラついてるのかもなぁと新たな気付きを得ました。起と結でだいたい比重を同じくらいが良さそうですね。 自信を持って「どや!見てください!」
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③に関してもアドバイスをありがとうございます。ルビについては実はエブリスタさんの機能を未だによく把握出来ておらず「どうやって皆様方はルビを振っておられるんだろう?」と思いながらそのまま投稿していました、機能について調べて次作からルビを振ろうと思います。追々過去のものにも追加していきます。 もうひとつも「沈黙を表すのなら次の文のインパクトを濃い目にしないとぼやける、覆面主人公ならなおのこと」というのを窺ってひたすらに「確かに……」と納得の言葉が尽きません。沈黙なら沈黙で「──……」に全任せするのでなく、その沈黙の状況を描けるよう力をつけます。 とんでもない。唐突なお願いだったのにも関わらずひと
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お役に立てたなら良かった。 こういうお話は、人を選ぶものだから、鷲嶺さんがこれを訊きたいと明確に示してくれて、私もそれに全力で応えたの。 私はホントは、かつての文豪がしたように、『本気の人』を集めてサロンを開きたいんだ。 鷲嶺さんは、誠実に私の言葉に反応してくれた。 だから鷲嶺さんも、私からすると『本気の人』認定しちゃった笑 これ結構難しくて、私が今のフォロワーさんでそう認定してるのは四人だけ。鷲嶺さん含めてね。 趣味の延長線上で書いてると、私の小説論は圧力になってしまう。 語り合う場を求めて、初めてコミュニティに参加してみたけど、肝心の管理人さんが行方不明みたいになってて、盛り上がってなくて

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