小池正浩

 しかし、と戸惑う。しかし、なんだ、この閉塞感? 行き詰まり煮詰まりとは以前いったものの、ほんとうになんなんだ、この思考のアイロニー、隘路に入った感じ、暗礁にのりあげちゃった微妙な逡巡、躊躇、優柔不断。完全に詰んだって感覚か、これが。ま、詰んだはいいすぎとしても、うまくいかないっていうか、やる気が起こらないってモチヴェーションの問題はある確実にある。1000文字つぶやきのこの場ではいつも、できるかぎり自作の裏話や宣伝などはほんの付け足し程度で、もやっと曖昧にしてあまり積極的にしないようにしてるのですが……今日はすみません、盛大に愚痴らせてください! そして、壮大な言い訳させてください! んでんでそんでもって、寛大に寛容なお心でゆるしてください! せっかく栞をはさんでくださった拙作の数少なき希少で奇特な(本来の意味で)方々、こんな僕のあつかましいお願いですがなにとぞ。  というのは、去年いや一昨年あたりにスタートさせた長篇『作者と読者〈Creator & Critique or Claimer〉』と連作短篇『惡』の二作品、最初っからやりなおそうかとおもいまして、というのも、ほかの企画はなんとか不定期でも書きつづけることはできそう、否ぜったいやりますやってみせますという気概と計画性はちゃんとあるんですけどね、先に挙げた二作についてはちょっと諸事情から困難をきわめまして……具体的に説明すれば、長篇にかんしては本題になる予定の事件そのものの練りなおし、短篇集にかんしては中心的キャラクターの全面的な見なおし等の、どちらも物語の根本的な部分に対する大幅なアップグレードをよぎなくされてるというか、ひとりひそかに自分で自分のなかで。ブラッシュアップなんかじゃなくて。  長篇はロジックにかんしてやはりほかの作家さんたちの作品を読んで味わって分析してもあらためてああもっともっと自分も自分の作品もさらに論理性を密に独自に正確に高めなければと決意をあらたにするわけで。連作短篇のほうはどうもあの例のもと首相への個人テロを経た現在の社会状況とあっては新しい再考なしにあのままあの程度のモラル問いなおしではとてもじゃないけど半端で物足りないしズバッと鋭くど真ん中に的を射ることもぜんぜんできないしということで。  リスタート、いやリブートさせてください! おもいきっていちからよろしくお願い致します。
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