西 海斗

大人自体がおかしい世界で生きていくために
一体、この物語はどこに連れていくのだろうかと読みながら困惑しつつ、それでいて引き込まれていく自分がいました。 保護者は子どもを保護するから保護者と言われる。では子どもを保護しない保護者は保護者の名に値するのか。児童相談所はちゃんと仕事が出来るほど余裕があるのか。そこからこぼれてしまった子どもたちはどうなるのか。 一見、誘拐犯でサイコパスの様に見える雛子が、実は茉也と茉優を守っていたと分かる後半。そしておそらく雛子自身もまた幸せに過ごしたかったと思わせる後半と死。 大人自体がおかしい、今の世界で生きていくための、ひとつの答えを示してくれた、傑作だと感じました。 茉也と茉優も、雛子の事を思い出しながら、これからゆっくりと、ケンカもしながら付き合っていけばよいのではと思います。 上手くいかなければ離婚したっても良い。その方が人間らしいと思います。 秋月晶さんの物語は、人間とは何かというのを突き付けてくるので、読者としても油断が出来ないです。素敵な物語をありがとうございました。
2件・1件
西さん、ステキなレビューありがとう💕 保護者というものに対して、私は自分の経験もあって懐疑的で、法的な血縁であるコトがすなわち真の保護者ではない場合もあると知ってるので、作中の雛子の言動に関しては、保護者というよりは師、または母親という立場を強くして描いたの。 西さんは社会をよく観察しているのが作品からも伝わるし、この作品に対して感じてくれるものがあったんだと思う。 人間は醜いものだから、善悪は測りきれない。 でも醜いから愛が生まれ、それを継いでいけるのかなとも思うんだ。 茉也と茉優が離婚するのは作者として考えられないけど笑、それぞれが個であり、雛子から授かったものがあるハズだから、別々の道を
2件

/1ページ

1件