Klora

電車という場面設定
ローカル線っぽい素朴な電車を勝手にイメージして読みました。このひとが電車が好きなのは、このローテクな乗り物、そしてカタンコトンと揺れる音に、生きていることの手触りみたいなものを感じているからではないだろうか? と、これまた勝手に想像をしてみました。電車というものは、どこか人生の旅を連想させるところもありますし、終点駅は、限りある人生を示唆しているようにも感じてしまうのは、ちょっと感傷的すぎる見方でしょうか。。。いずれにしても、電車という場面設定が、この物語の非常に大きな役割を担っているのかなと感じました。 あと非常に興味深かった点として、魔法使いであるにもかかわらず、このひとが、バラ色の人生を送っていないところです。なにかが欠けている、どこか乾いている、そんなふうにすら感じました。このひとは人間界に来てなにがしたかったのか、どうして人間と話をしたかったのか、それは、それによって自分の存在を確かめたかったからではなかろうか。 魔法界を検証することはできない、という設定も、いい味を出しているなと感じました。彼らは神じゃない。神だったら、この物語にドラマは存在しない、そう感じました。 ド派手なアクションはない、だけど、ちょっとだけ忘れかけたなにかに想いを馳せたくなる、そんな作品のように思いました。
1件・1件
Klora さま 最後まで読んでいただけただけでなく、丁寧な感想までくださり、ありがとうございました。 とてもびっくりしました。 鉄道の面を深く読みこんでくださったことに、とても驚きました。 二人が乗っていた電車は、ローカル線でもかまいませんし、都心郊外を走る路線であっても良いのですが、長距離だけれど各駅停車の普通のものにしたかったのです。ゆっくりとしていて、人の日常につながるような。 「電車が好きなのは生きていることの手触りみたいなものを感じているからでは」とは、本当にそうで、四十四代目は自分自身をどこか宙に浮いたような存在だと感じているので、 重みや揺れを感じられて、「地に足をつけ
1件

/1ページ

1件