赤葉小緑

文字と思いは、螺旋のように絡まって、文学になるのだろうか……。
待望の秋月晶さんの作品でした。 秋月さんらしい、重厚な心の描写、卓越したレトリックがちりばめられた作品でした。私は、恥ずかしながら純文学は良く分からないので、自分なりに秋月さんの世界を感じさせていただきました。  結ばれることが憚れる悲しい恋の物語という印象を受けました。優の文学は、娘の麗に対する呻きのような思いの表出ではなかっただろうかと思います。それゆえ、決して表には出せない、また出してはいけないと自らを戒めていた。思いのたけを表現したいけどできない苦悩、また、そのような思いを育ててしまった後悔を抱いている。でも、そのことを乗り越えたようなメッセージを贈り、麗を安心させて、けじめをつけようとした。恋をしてしまった後悔を持ちつつ。  麗は、そのような父を感じつつも、どこか告白を期待しているような思いがあるのを感じました。大人の恋に対する、若い少女のあこがれのような。もちろん麗も結ばれぬ恋だとはわかっているけど思いは伝えたい。それが最後のメッセージだったと思いました。  父からのメッセージも、いままでの「恋」から一段上がって昇華した「愛情」の表現として感じました。  私は、小説を文学として鑑賞するのができないので、物語を追って自分なりに解釈しました。この物語はハッピーエンドだと思います。報われぬ恋と麗は感じつつも決して、どん詰まりではなく、まだ前に進めるような明るさを感じました。  勝手な感想ですみません。でも、秋月さんの作品を読めて良かった!
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小緑さん、ステキなレビューありがとう💕 この作品は、とても解釈が分かれると思いながら書いたから、小緑さんが感じてくれたものは、言葉ひとつ、思いひとつ、すべて私を肯定してくれてる。 文学に染まると、苦悩は計り知れない。 自分が書いた作品は、魂から生まれた結晶。それを否定されないよう、作者はさまざまに気を払わないといけない。 特に純文学系は、現代でなかなか評価されないし、時代が伸びやかでないと小説に文学は見えてこない。 でも振り切れてしまうと、今度は自分が合わなくなる。そんな苦しさを描くのに、純文学が似合ってしまう不思議。 作家としての優は、それと折り合えなかった。そして娘たる麗に願いのような想い
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文学を知らない者の拙いレビューですが、私こそ肯定していただき光栄です。弓を引き絞って、一気に放ったような作品だったと思います。また、秋月さんの作品が読めることを、いつまでも期待しています。
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