たすう存在

遅ればせながら読ませていただきました。 普段は恋愛カテ作品は読まず嫌いなんですが、ゆーまサンの作品ということで良い意味で裏切られることを期待して読ませていただきました。 そして、やはり良すぎる意味で裏切られました。 本作は「本気の恋愛イベント」と題されたイベント用の作品とのことですが、これこそまさに「本気の恋愛」だと思いました。 ここで描かれているのは、人間や生き方、そして時間、そういったものを含んだ恋愛です。 そして意外性のある真実がミステリ作品としての印象も与えます。 ゆーまサンは後書きで「ありきたりな話」などと書かれていますが、僕は全然ありきたりだとは思いませんでした。 認知症を発症した妻との恋愛を描いた作品はいくつかありますが、導入部や(特に視点者の)セリフまわし、舞台仕立てなどで引き込まれていた僕には、まったくその真実を推測することができませんでしたし、そのテーマの扱い方としては新鮮に映りました。 また、書き手目線でも舌を巻かされます。 描かれている季節が夏や冬であるにも関わらず、陽だまりのようなほくほくした筆致で描かれる情景や人物が創り出す作品世界はとても暖かく、安心して物語に浸ることができましたし、 夏の暑さの描写ひとつとっても、それにほぼ丸一ページさいているにも関わらず、蛇足ではなく、すんなりとこの空間に入る手助けになっているあたりなど、描写とはこうあるべきなんだな、と学ばせていただきました。 そして、最後の三島さんの独白 「そんな笑顔を見ているとね、こんなジジィだけど、不思議と、彼女に恋をしていた時期を思い出して……ああ、色々な事を忘れてしまっても、こうやって何回でも恋に落ちたら良いんだなって」 にはじんと胸が熱くなり、涙を堪えるのが大変でした(笑) 素晴らしい作品をありがとうございました。
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こんにちは(@゚▽゚@)めちゃくちゃ丁寧なレビューをありがとうございますm(__)m こう、このおじいさんを描こうと思った時に、私にはまだ七十過ぎのおじいさんを描くだけの人生経験がないと思ったんですね。だから、この時点でおじいさんを主体にした構成は除外したのです。ゆえに、「若者から見たおじいさん」これなら、私が書いても何とかなるかなあと。また、この話のテーマ的に若者の心の動きはあんまり関係ないので、三人称をチョイスしてみた次第です。あとはもう、何とか最後まで読んでもらえるように色々必死でした(笑) 長い作品にも関わらず、本当にありがとうございますm(__)m
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