と、いまちょうど前文のつづきを書いていると、春野さんからご返答が届きました。  ああ、ならすみません、そういうことでしたら僕もほとんど同意見なので、この欄で書くことも書く必要性もこれ以上はなくなっちゃいました。しかし、いちおう述べておくとですね──。  青木和夫は松本清張の発言を受け、率直に自分の胸のうちを明かしています。「私も先生のお気持ちよくわかった気がするんです。先生は一番最初は鷗外から始めておられるけれど、鷗外の場合だったら「歴史其儘と歴史離れ」という随筆で、一番苦労した所をボシっと出した。松本先生の段階になりますと、歴史学者をつかまえて、歴史学者は文献の中だけで考えておるが(
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