歴史というものは謎が多い。だからこそ解釈を頻繁に誘発する。歴史家は生涯この謎に魅せられた人たちでしょう。ときに作家もまた魅了され、歴史物を創作する。どのように解釈するかという自覚や方法に差異があるだけであって、そこにもちろん優劣もなければ、解釈そのものに本質的なちがいはありません。学問的に体系化し客観性を重視するか、多少リスキーでも想像力で補い膨らますか、そういったヴェクトルの差があるだけでどちらが絶対的に正しいということもない。作家も案外、というか本気でそうかもしれないと仮定しながら真面目に創作しています。それをつかまえて「歴史の解釈」にあたいしないなどと、頭ごなしに全否定することはない
1件

0/1000 文字