ようするに、おたがい相手に仮想敵を見ていたのではないかと。春野さんは文面からしてあきらかに僕の論説に過剰反応しているというか、どこか攻撃的というか、一貫して否定的な印象ですし、僕は春野さんにどうにか自分の考えをわかってもらおうと必死です。これでは、いつまで経っても話が噛みあうわけがない。  でもそれも、ある意味しかたないかなともおもいます。というのは、春野さんと僕のおのおのの「妄想」と「歴史の解釈」にかんする認識や評価は結局、それぞれ根本的なところで一致しない可能性が高いようにおもわれるからです。  なぜかというとですね、僕はけっこう「妄想」に寛容なんです。どんなつまらないくだらないも
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