鯨の骨が朽ちるまで

あの夏、鯨がふたり、意味もなく呼吸をあわせた

夢見里 龍

青春 完結
27分 (16,162文字)
頽廃のかおりを漂わせた、ひと夏の静かなブロマンスを堪能いただければ幸いです

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あらすじ

 緩やかに朽ちていく工場の廃墟、折れた鉄骨、赤錆、夏の喧騒。  絵の具の鯨と啼きやまないヴァイオリンの弦。 「僕はここで絵を描いてるんだ。なんの意味もない絵を描いている」  緑と赤錆と画材のにおい

感想・レビュー 1

孤独を知るもの同士の儚く美しい邂逅の物語

ヴァイオリニストと画家の男性の一夏の邂逅のお話です。孤独を知るもの同士だからこそ聴こえる音があり、見える画があるのだと思わせられる、心揺さぶられる物語でした。何よりも文体が繊細で美しく、時に詩的でもあ
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