兄を悼む手紙

私の知らない兄の姿をその手紙が教えてくれた。

春チヨ。

8分 (4,652文字)
妄想コンテスト「手紙」参加作品

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あらすじ

嫌いだった兄が死んだ。 私はとくに悲しいとも思わなかった。 四十九日近づいたある日、手紙が届いた。 そこには私の知らない兄の姿が書かれていた……。

感想・レビュー 3

じんわりとくる良作

近すぎるがゆえに、案外見えない。 家族って、けっこうそんな存在かもしれないですね。 わたしには引き戸の存在が、家族が兄に対するぎこちない感情を表し、一方で兄の家族に対する真っ直ぐな感情を表してるよう
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死後に見えた姿

語り手にとっていい思い出のない兄の、その死後に届いた一通の手紙。それが語り手の兄への印象を変える。 「私」だけが見ている兄が、その全てなわけないのだ。これは筆者自身も肝に命じておきたいと思いました。
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静かで的確な描写

黒電話や、溝に引っかかる引き戸。さり気ない言葉で時代や情景が見えてきます。 どの場面も最小限の説明でありありと映像を浮かび上がらせる、作者様の手腕は見事です。 また、切々と綴られる手紙の内容が胸に迫り
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