演じていた犬

犬と人間は違う。犬同士も人間同士も違う。

クナリ

ホラー 完結
9分 (5,227文字)
生命に貴賤がないとして。貴賤があるのは、

10 142

あらすじ

 父親、母親、兄、弟。  都内でも指折りの資産家である岸田家で、四つの死体が見つかったのは、十月下旬の朝のことだった。  亡骸が転がった家からは、ただ、犬の大きな吠え声だけが、いつまでも響いていた。

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目次 1エピソード

感想・レビュー 2

忘れられない圧倒的良作!

 凄い作品である。多くの人間が複数の感情を同時に抱える事があるだろうけれど、まさしくそんな読後感だ。その中に一つも希望はなく、重苦しくなる。心に余裕がある時でないと、負けてしまうかもしれない。  ただ

きょうき

物語の冒頭からあるように、悲惨な事件の顛末を描いた作品です。 しかもそこには人心に秘められた深い狂気が。 果たしてこの一見平和そうに見える家族に何があったのか。そして家族を殺傷した意外な「きょうき」。