○○解禁

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妄コン「◯◯解禁」の感想です。 https://estar.jp/official_contests/159697 * * * * * 【続きが読みたい賞】 『私は化物です』 鏡乃 様 特殊能力もののお手本のような作品です。 主人公がもつ特殊能力は、あまりにも凄すぎるとチートすぎて、かえって作品はおもしろくなくなってしまうものですが、この作品では、うまく能力が制限されています。 読心能力は昔から使い古されてきた特殊能力なので、設定の工夫がとても大事だと思います。 物語の冒頭は、青春恋愛ものでほのぼのとスタートしますので、その後の展開とのギャップを楽しめます。 友人の設定にも、学ぶところは大きいです。 まず、主人公に特殊能力がある場合は、その友人は普通の人である方が望ましいですね。 主人公が引き立ちますから…… という設定を伏線にして、ラストで明かされる真実! 拍手を送りたくなります。 あと、友人がもつ力、この作品では力というよりコネですが、その伏線を後半で回収するのもお見事です。 友人の設定は伏線として使え、ということです。 ラストで、三人の友人の真相が明らかになった後でも、以前と同じように友情を確かめ合う場面に、感動が止まりませんでした。 私もいつか、こういう作品が書けるようになりたいです。 * * * * * 【トンデモ賞】 『人間解禁』 西 令草 様 題名が気になります。 どういう解禁なのだろう。 おそらくは、人間らしい生き方の解禁なのかな、と想像はつきますが…… 人間解禁の真相は、読者の想像の遥か上を行くものとなります。 トンデモ賞、納得です。 トンデモ賞なので設定がハチャメチャなのかと思いきや、実は設定の中に、作者のメッセージが隠れています。 展開は冒頭からの中盤への流れでまったく予想できず、読者はぶっとんだ設定にいざなわれるわけです。 前段では、主人公は幼い頃に父をなくしていて、苦学生。 ヒューマンドラマ的な導入になっています。 人としての生き方を圭介の父は語ります。 その内容もしっかりとしており、作者の人生観も見えてきます。 お坊さんの話、そして、お寺の白蛇が絵に書いてもらうことで顕現する。 ヒューマンドラマからシリアスな宗教的ファンタジーへと話が変わっていきます。 物語を読み進めていくと…… え? ひょっとして自分は違う作品を読み始めたのだろうか? と、前のページに戻りたくなるような衝撃の展開。 前半と後半でギャップがある作品はいろいろありますが、このように展開する話は初めて読みました。 もう、びっくりです! 読みながら、自分の脳を応援したくなります(笑) なぜって、この展開に脳が追いつかないような気がしてしまうからです(笑) ヒューマンドラマ、ファンタジー、SFを1作品で同時に味わえる、まさにトンデモな作品でした。 作者の西さんは、人間の生き方を探求しておられる方です。 そんな生き様も、この作品から感じました。 * * * * * トンデモ賞受賞作品『人間解禁』の作者 西令草さんは、ご自身のエッセイで、闘病記を書いておられます。 生き方を常に問い続けて作者様が、今まさに病と闘っています。 私は、西令草さんの生き様や、闘病の姿勢から多くを学ばさせていただいています。 西令草さんのご快癒を願っております。 * * * * * 次回からは、妄コン「染まる」の感想を書いていきます。 お楽しみに! ※ 妄コン「染まる」の受賞作品はこちらから読めます。 https://estar.jp/official_contests/159699
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