和高 茉莉
“無欠”なものか、と思った。 それにあれが“魔弾”なら、彼が吹いたのは“魔笛”なんだろうとも思った。 余談だけれど、僕はパイナップルを甘いシラップと一緒に缶に閉じ込めたい。“環”切りのそれは、なんだ
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和高 茉莉
「やれやれまったく夢みたいなことばかり言っていやがる」と、僕は煮えたぎるコーヒーを飲むなどしながらこれを唾棄すべきだとは思うのだけれど、夢というには現実味がありすぎるし、現実というには説得力がありすぎ
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和高 茉莉
暇つぶしでえらいもん書いてくれたなあ、とおもいました。わがままを言うとブローチを踏んづけてほしかったけれど。 おなじ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかごとばかりも、的なね。 ああ、藤袴って蘭草とも
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和高 茉莉
「――という夢を昨晩みた」 狂おしいほどいい台詞だと思いました。 狂っているようで、けれどその実もっとも根源的なそれに驚くほど忠実な。 雨傘を嫁にしたいと思うこれも、また宿命でしょうか。おもしろかっ
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和高 茉莉
とんだ大馬鹿だと思った。もっとも、それは氷に相違なかった。けれど僕は、笑ってほしい、それをずっと薄氷だと思っていたのだ。 ぞっとする。或いは僕たちは、それを踏むのを忌避してさえいた。 恐ろしくなる傑