なにこれすごい 三人がそれぞれ、生まれ持ったいろんなものにがんじがらめになり苦しみながらも、結局は三人であっけからんとぶっ飛ばしていく。その過程には、運命とか裏切りとか、どうしようもないこだわりとか

針を置いたレコードからゆっくりかすれた音楽が流れ出すような、カシャカシャとビデオテープを飲み込んだブラウン管が白黒の名作映画を映し出すような、ちょっと懐かしい香りの漂う、暖かくてハッピーな物語。関西弁

不穏な出だしから始まる少年たちの群像劇は、一つの事件を核に、まさにそのしがらみから飛び立とうとする瞬間までが描かれています。こんなに大作なのに、この彼の、いやあちらの彼らの続きが読みたい、そう思わせる

お仕事小説、ＢＬ、青春、友情、どの側面をとっても魅力的で、一気に読みきってしまいました。いつも正解ばかりを叩き出せるわけじゃない登場人物一人一人が、誰も彼も人間くさくて、感情移入してしまう。自転車競技