杉宮海翔

勇気には三つ種類があると思う。 一つ、立ち向かう勇気。 二つ、受け入れる勇気。 三つ、逃げる勇気。 強さなんざ大体はハッタリだ。真に強いと感じる奴は、常に何処かしらに弱さを貼り付けているのに、あたかもそれを武器の様に見せる奴だ。 池乃めだか師匠を知ってるよな?あの人は低身長というコンプレックスを、逆に最強の武器へと変えてしまった。文学で言えば、二葉亭四迷は「くたばってしまえ」と父親から言われた事をペンネームにした。 諦めも一つの強さ。なら、この主人公の様に立ち向かわないのも一種の戦い方だよな。まあそんな事を考えながら読んでた訳だが。 ......しっかしまあ、良く競馬っていうマニアック(あくまで主観だが)な分野の持ち味を殺さずに面白く仕上げたなぁ。 改行の多さと、走る動作の描写(これは疾走馬の描写みたいな方がむしろマッチしそうだが)に注意さえすれば、哲学的な要素を多分に含んだこの作品をもっと面白く読める気がした、かな。
・1件
こんなこと言ってはこの小説が本末転倒ですが、弱さと強さに明確な基準なんて無くて、強いか弱いかなんてその一瞬で決まるもんでも無いんですよね。 でも、自分の持つハンディキャップを結果的に強みに変えちゃう人は、やっぱり大まかな『人間』というくくりで見て強い人なんだと思います。そういう人の大半は、杉宮さんの言うとおりどこかしら自らへの大きな決断に、諦めという勇気も含んでる訳ですから。 めだか師匠しかり、四迷先生しかり。 こうなると、『諦める』小説をいつか書いてやろうと思うもんですwひねくれですがw
1件

/1ページ

1件