清水 誉

中学生の頃、自転車で本屋に行きました。 そこは色々な新書を売っていて、どの本もピカピカでワクワクしました。 だけど、途中からその本屋の隣にあった古本屋に入り浸るようになりました。 古本屋は新書を扱う本屋とは違う匂いがします。 古本しか置いてないのに、タバコの匂いや、コーヒーの香りや、誰かの家の匂いがします。 それはその本が前の持ち主に読まれ、持ち主を旅に誘い出した証拠なのです。 その空間はとても居心地が良く、秘密の大切な場所でした。たくさんの旅が、魔法が、出会いがあったのです。 たくさんの人を夢中にさせたあの古本の中に、ブックカースもあったのかもしれません。 アナテマと共に不思議な事件を解決する千尋さんが可愛らしく思えます。 まっすぐな素直な感情は、本を愛する気持ち。 そして人を愛する気持ちにも見えます。 作中の言葉に、何度も心を打たれました。 声に出して読みました。 呪いのブックカースと思っていたのは、人の幸せを願う気持ち。 これは嬉しい裏切りにあいました。 「本を読むのは心を耕すため」 良い言葉です。 読み終えた後に出たのは幸せのため息でした。 この一作では勿体無い作品です。 これからもっと、色々な出会いと千尋さんの恩送りを見てみたい。 取り留めのないレビューになってしまい申し訳ない。 この作品は、あの時の古本屋そのものだ。
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清水さん、素敵なレビューありがとうございます。 街にひとつはあった古本屋がいつしか無くなり、そればかりか普通の本屋まで激減している悲しい時代です。 かくいう自分も、いつしか古本をネット通信で買うようになりました。 そんな古本に前之浜オーナーの書き込みがあったりしたら微笑ましく思ったのです。 前ならムカつくことですが、今なら様々な考えがあるとわかるので、嬉しく考えるようになりました。 千尋とアナテマの迷コンビは、押しかけで人様のお店の事件を解決します。 そんな傍若無人なキャラに、天然の健気な少女にしたのは正解だったのか? でも何気にお気に入りのキャラになりました。 そんな拙作を読んでくれ
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天然健気なキャラは正解だと思います。 私好みの可愛らしいお嬢さんです(笑) そしてそんな彼女が宗一さんにだけ毒舌なのも魅力的です( ̄▽ ̄)
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