僭越ながらレビューさせて頂きます。 涙が止まりません。ラストの、ノブに髪を切って貰うところからは、何度も涙を流してしまいました。鉄之助にハツ、彦右衛門やノブに感情移入し過ぎました。 それ程までに、繊細で切なく、儚い想いが伝わってきます。何気ない会話や、ちょっとクスッとしてしまうところ、そして秀逸な心の葛藤がそうさせるのでしょう。 市村鉄之助が佐藤家に居た二年間なんですね。歴史は好きなのですが、恥ずかしながら幕末には詳しくなく、作中に語られる知識は何度も『なるほど』と声に出してしまいました。それも、この物語に惹き込まれてしまった理由です。 そして、一番の驚き……凄いと思ったのは土方歳三の存在。 何が凄いって、この作品の土方歳三はもうこの世にいないんですよ。ですが、鉄之助や彦右衛門が想い語る土方歳三は、私の脳に浮かび上がる程に、鮮明で活き活きとしていました。小説の中の人物の回想ですよ? それが鮮明に映像として浮かび上がるなんて、今迄読んだ作品に有りません。一文字一文字の言葉に魂が宿っているとすら感じてしまいます。 そして、お互いに心惹かれて行く二人の恋模様は、中盤から終盤にかけて想像を駆り立てます。ハツは連れて行けないの? もう一緒に行こうよ……何度そう思った事か。そんな二人の展開は、思いを寄せても叶わぬ純粋な時代の愛を感じます。今の様に、自由の利かない時代……その儚さが心を打ち付けます。色々な恋愛模様やファンタジー要素が盛り込まれた幕末作品を見ましたが、やはり、歴史に沿った切ない純愛模様が私は好きです。この物語は、その時代に思いを馳せる事が出来る物語です。 そしてこの作品を私なりに解釈させて貰うと 【義と情と信念】です。 ちなみに、一番好きなのは彦右衛門でした。義を貫き通しながらも、仲間を思う熱い情を持ち、信念を曲げない。 涙を流しながら鉄之助を見送るラストは圧巻です。心の中では、旅立ちに涙は不吉だなんて思っていたのではないでしょうか? それでも涙が止まらず、早く行けと手を振り……みたいな想像をしてしまいました。 全てをレビューでは語りきれません。 それ程までに面白い作品です。この作品を読み終えたとき、きっと読者の心には何かが残っているはず……
1件・3件
なんてもったいレビュー>_< 読んでいただき、本当にありがとうございました。 もっと自由に、もっと面白く。史実に囚われず面白おかしい小説にしなければ……そう、焦りながら描いていました。 もっと二人の恋愛にも盛り上がりがあればーー賞の中間発表の結果を見て改めて感じていました。 でも書けなかったのです。『佐藤彦右衛門』のことや日野のあの頃を調べていくうちに、自分の中に鉄之介の姿が出来上がってしまっていました。 実は私、彦右衛門のファンなのです。なので、彼を魅力的に感じてもらえてとても嬉しいです。 「よしっ」d(^_^o)って感じ(笑) ありがとうございました。
2件
面白かったです(=゚ω゚)ノ ハツも可愛くて好き(∩´∀`)∩
1件

/1ページ

1件