雪翅

  一目見た、その一瞬。その一瞬で、心を染め上げる。 それってすごく素敵なことなのに、一方で、ものすごく残酷なことでもあるんですね。心が動いてしまうこと自体は罪ではないから余計に。 曜子が鈍感な女だったら、いつまでも二人で穏やかな時間を過ごせていたかもしれない。井藤君の変化にも、あの一言の意味にも、気付かないまま。 だけど、彼女は決断した。 そして井藤君も、それを受け入れた。 別れって寂しいし、決断するのにすごく勇気が要ることだけど、自由にもなれる。相手を縛る心配も、相手に対する不安も、これ以上は抱えなくていい。 お互い違和感を抱きながら続ける関係はきっと長続きしなかっただろうから、深く傷つけ合ってしまう前にこうなったのは、悲しいけどよかったのかも…………もちろんすぐ割り切るなんて難しいだろうけど、それぞれのためにも、ゆっくりとでも前に進めたらいいな。二人とも。 それから、鵜飼君は、実は曜子のこと好きだったりしないのでしょうか……「誘惑、しましょうか?」って一言が、結構真剣かつ切実なものだったような気がして。大切な人が愛する男と幸せになって、ずっと笑顔でくれたら……みたいな切ない想いが詰まってたりしないかなぁ、なんてちょっと妄想してみたり。 鵜飼君が、いつか曜子の心を染めてくれることを期待してます。勝手に(笑 それから、実は私大分出身者なんですけど、今日ちょうど深耶馬渓に行ってきたので、ちょっと運命感じちゃいました(*ノ▽ノ)
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雪翅さん おはようございます。 素敵なレビューを有難う御座います(´;ω;`)ブワッ 仰る通り、本当に心を染め上げられるって素敵な事ですよね。 そういう出会いって生涯あるかすらわからない。 それがもし相手がいる人に起こったら……。 私も曜子がもう少し鈍ければ、井藤君と意外と上手くいく未来もあった気がします。 けれど少しでも気付いた瞬間、その未来は閉ざされたのかもと、雪翅さんのレビューを見て思わされました。 気付いた違和感は確かに2人を侵食して、この後続いても長続きしなかったでしょうね。 確かに別れって解放でもありますね。 それまでの悩みや抱えてたものが一気になくなる瞬間でもある。
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  雛姫様、こんにちは(*´∀`*)ノ あとがきで深耶馬渓の名前を見つけて本当にびっくりしましたっ! 時季は違うけど、見てきたばかりのあの場所が浮かんで、「きっと私がこの作品を読むタイミングは今だったんだっ!」って嬉しくなっちゃったっ(*>∇<)ノ 紅葉が色づく時季なんて特に行きたくなる場所ですよね。秋になったら足を運びたくなります。 そして、雛姫様が、情景描写と人の感情の揺れみたいなものを絡めて書くのが上手なこと、改めて作品の中で感じました。 彼は私を愛してくれた──その一文はこう繋がるのか、と。 曜子の決断も、あのタイミングだったんだなと思います。あのまま一緒にい続けるのが、
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