紅屋楓

小説で旅するベトナム
味志ユウジロウ様、大変お待たせしてしまい、申しわけありません。 海外作品、相互レビューに参りました。 読者の前にビーチが広がる。波音や海鳥の声、記憶喪失の男……劇場で映画を観ているかのような錯覚に陥った。 ベトナムの街の情景描写や国の背景だけでなく、ところどころ挿入されている写真やリニューアル後に表記が可能になったというベトナム語やハングル文字がリアリティを増す。 (書き手として嬉しい機能ですね。笑) 記憶を失いながらもアジア地域の多数の言語に精通し、また身体能力も常人とは思えない。 謎多き人物ながら、序盤から「主人公は何者なんだ?」と読者を引っ張る手腕はお見事としか言いようがありません。 主人公が自身の過去・素性に近づくと鈍痛が起こるという点も馴染み深く、謎が解けていく過程にワクワク。(頭痛を起こしている主人公にワクワクというのも申しわけない気がしますが……) また記憶喪失と同時に色を失っているという設定がタイトルはもちろん物語の大きな魅力。 モノクロの世界がぽつりぽつりと色づいていく瞬間は、ぜひ映像で観たい。中でも人物相手に色づくかどうかというのがいい。 話が進展するとともに章のタイトルでの人物名の表記が変化するのも要チェック項目であり、細やかに作られている。 何気ない会話の中にヒントが盛り込まれている。特に文章の表記は特に注視したい。 物語を読み進めていく中で気づきがあり、読み手としてとても面白かったです。 ケン、ロアンの互いを想う心情描写が苦しくて切ない。視点が変わるごとに両者の気持ちに引っ張られ、綱引き状態に。 そしてシュレーディンガーの猫、もとい3つのエンディング。 欲張りなもので、すべての結末に目を通してしまったわけですが……個人的にはバッドエンドが好きかなぁと。 こちらの最後がケンとロアン、二人のMaybe Blueが一番現れている気がしました。 しかしトゥルーエンドにて何やら続きがありそうなので、興味深い終わりだと感じました。 日本で何が起こるのか。楽しみが増えました。 愛する者同士という枠にはめるのは、あまりに小さく、無粋とも思える二人の深い関係……魅力あるキャラクターです。 なんだか旅行記みたいなレビューのタイトルをつけてしまいましたが、ベトナム・ダナンの風を見事に感じられる素敵な作品でした。ありがとうございました。
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桜音月 楓さん レビューありがとうございます。 平成・令和またぎになりましたが、面白いテーマ(海外)に参加できて良かったです。 同作、ベトナム語可能になったので、恐らくエブ史上初となるであろうオールベトナム語版を作成予定です。笑 そして、ベトナムスタッフやロアンに読んでもらい、ゆくゆくはダナン市長の目に留まって、オールベトナムロケでミニシアター系で上映される映画に育てたいと想います。爆 そんな野望を考えていたら、英語に翻訳してWattpadという世界中で読める小説投稿サイトにアップしましょうという方に出逢いました。人の繋がりって面白いですね。 桜音月さんもいかが? 元々日本語が読めないロ
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コメントありがとうございます。 本イベントを楽しんでいただけたなら嬉しいです。 ベトナム語版とは凄いですね……! ミニシアター系で上映される映画、良作になる予感しかしませんね!ぜひ劇場に足を運びたいです。 それに英語に翻訳とは面白い企画ですね、味志さんのこのコメントを見て早速参加申請をしてきました! まさかロアンにモデルがいたとは驚きです。 短いセンテンスなら訳しやすいですよね。 ケンの世界が色づいていくシーンは、映画「ある日どこかで」で主人公が1912年に時間旅行した瞬間を思い出し、同じような感動を覚えました。 ※あちらは、サッと色がつくので少し違いますが……イメージとして。 3つの
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