碧桜 詞帆@🔰

性格も強みも悩みも立場も、使命も人生も代わりはいない。逃げられない今を見つめて。
不器用なほど真っ直ぐな俊が心許していた雅彦くんを失ってから過去をやり直す過程は、複雑な思いを抱きながら俊を見守っていました。雅彦くんを失った悲しみや悔しさ、喪失感に心を痛めながらも、一人で抱え込んでいた俊のそばに、気が付いたら当たり前のようにいてくれる勇也や映美ちゃん、怜子の存在がとにかく大きくて、友達がいてくれること、一人じゃないことの心強さが眩しくて、そして皆に、麻世というライバルにも背を押されて高難度の技に挑んだ時は、本当に胸が熱くなりました。 作中、懐の深さに何度もほっとさせてくれた勇也。それでいて厚かましくないんですよね。こんな状況でも冗談が言える、ツッコミの切れが曇らない。そんなところがくすりと笑えながらも勇也らしいカッコよさのようにも感じています。何があっても勇也と一緒なら立ち向かっていけるような頼もしさがある。一番つらい過去を経験していながら、このひょうきんさ。なんて強い人なんだろう。惚れない読者はいない、と碧桜は勝手に思っています。(笑) 俊のような才能もなければ嫉妬もする、どこか一番人間らしい和真さん。作中の登場人物の人生を思い、一番泣いたのは和真さんでした。最初読んだ時は、みんなのお兄さんのような和真さんの面倒見の良さやモチコに全幅の信頼を寄せてもらっていることを、違和感がありながらも『お兄さん的特性』のように解釈していましたが、読み返すうちにそれは表面的でしかないことに気が付きました。もしかしたら和真さんは一番、自分の心と向き合えていて、弱いところとも、みっともない気持ちとも向き合って生きているんじゃないか。認め切れていない部分もあるけれど、認めていかなきゃいけないことも解っていて、だからこそ、一番深い部分で他者に優しい――それをモチコは全部解っていて、そんな和真さんが好きなのかなと。「カズマヒコと呼んでいいから」は胸が苦しくてページがめくれませんでした。 映実ちゃんや怜子は勿論、亮さんや伊佐美さん、雅彦くんと麻世くんのお母さんたちもみんな、性格も強みも悩みも立場も、使命も人生も代わりなんかいなくて。逃げられない今を見つめて生きている、生きていく。 青春でありファンタジーだけれど、それ以上に人生を切り抜いた熱い魂の物語でした! 自分も人生頑張ろうと思える、たくさんの勇気をもらいました。素敵な物語をありがとうございました!!☆*。
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詞帆さん、とても素敵な表題、そして章ごとに感じたことをこんなに丁寧に書いていただけて感無量です。なんだかぐっと来るものがあってこちらの胸も熱くなりました…… 長編でないと書けないこと、書きたいこと、それが読んで下さった方に伝わる喜びを下さり、いつもありがとうございます!! 詞帆さんの感想を読んで私も人生がんばろうって思いました( ´艸`)
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