普遍的なテーマ
 赤毛のアンの登場人物から取った名前や、90年代米ドラマの吹き替え版を彷彿とさせるセリフなど、日本人に馴染みのある米エンタメ作品へのオマージュを隅々まで感じられる作品でした。  最初のうちは、そのような雰囲気を味わうストーリーとして読み進めていたのですが、第10章あたりから少し風向きが変わり、この作品が本当に伝えたいテーマが見えてきました。  移民で構成されるアメリカという国の中でも、とりわけ多種多様な人間たちで構成されるニューヨークを舞台に、華やかな街を謳歌しながらも、ある種の生きづらさを感じている主人公が遭遇する様々な対立や差別や偏見。  それは主人公を取り巻く人間たちだけでなく、主人公自身の中にあるものだったりするのですが、彼女はこの街で暮らす体験を通じて、無知であることの罪に気付き、人は過ちを犯すものだという諦観と許容を身につけ、自身の受容範囲を広げながら成長していきます。  この作品がよくある王道ラブコメと一線を画した仕上がりになっている理由の1つは、こうした普遍的なテーマが根底に流れている点にあるのかもしれません。  また、歴史や土地に関する丁寧な描写が、この作品にリアリティを与えています。個人的には、この綿密な調査力を生かした別の時代の作品も読んでみたいと思いました。思い切り昔の話がいいです。紀元前とか。たとえば、里中満智子が昔描いていたような史実に基づいたラブストーリーのような、そんなものを勝手に期待しております😘
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もったいないくらいの素敵なレビュー、ありがとうございます!!! 赤毛のアン、海外ドラマ、地理、歴史、時事問題といった自分の好きなものをただただ詰め込みまくったお話に、とても立派なカバーと帯をつけていただいたような気分です。嬉しいやら恥ずかしいやら、大変幸せです。私が書きたかったことをたくさん受け取っていただき、どうもありがとうございました。 紀元前のお話、ロマンチックで楽しそうですね。ちょうど最近、博物館に古代の遺物を見に行くのがマイブームでして。たくさん勉強しなければならないとは思いますが、いつか書いてみたいです🥰 それにしても、こんな長く拙い作品を、お忙しい中お時間を割いて最後までお
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古代の遺物、おー、そうでしたか それならいつかぜひ! 日本人にあまり馴染みのない人物、例えばヒュパティアみたいな人とか(『アレクサンドリア』という映画になっていますが)😚 ということで、すみません、勝手に暴走しておりますが😂いつか楽しみにしていますね😉
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