小池正浩

 現在まさに起こり進行しつつある危機的状況をちょくせつリアルに、即時性かつ共時性をもって反映させようとする作品が、ほかの創作者の方の最新小説ですが公開されています。 https://estar.jp/novels/25944812  社会問題とはまったくかかわらない現実逃避まるだしの作品を肯定することに僕はいささかも躊躇ないですけど、すべては自由のため、このような臨戦態勢で臨場感あふれる戦闘的スタイルの作品もまた支持します。作者の明日乃さんは僕の知るかぎり活動しはじめた当初から、戦争や政治をテーマにした物語を中心に多く書かれてきた方なので、当然「にわか」などではなく説得力があります。ということで、許可なく勝手に簡単に宣伝を失礼しました。と、ついでにいま連載中の自分の作品のひとつに関連して資料から出てきた、皮肉なことにつくったのはもう二十年も前になる自作の『神の国』という曲の詩を転載しておきましょう。 神の目には何が見えるの? 破壊…… 悲劇…… 果てない戦争……悪夢……歪む もしも明日すべて終われば 自由に、楽になれるだろうか こんな世界へ産まれ堕ちた 人間は誰もが罪と罰を背負った子供 破壊された無惨な廃墟 灰や瓦礫、暗く立ち籠める ある日テレビ画面の向こう 救いを乞う声なき叫び聴いた 神の目には涙あふれる 光 奇蹟 いつまでも待つ 狂ったウイルス増殖した だから必死に強く願う 小さな希望を 紅く燃える地獄の炎 銃弾の雨が降り注ぐ 街の雑踏ふと見上げると 国境なんて存在しない大空
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