たまには仕事も休んで旅にでも出たいものですが、雇用主の追跡を逃れるというのはなかなか容易ではありません。 なので見つからないようステルス機であるB2スピリットを購入して発つことに致しました。 が、新品未使用では20億ドルすると言われ、これはさすがに昨今のひどいドル高の影響もあって断念し、ギリギリの中古でいいから安いのを紹介してくれと頼んだところ、タイヤ全欠品で兵装も一切無し、ナビも車検もドラレコも無くていいなら格安で用意できると言うので、やむを得ずそれで手を打ちました。 ステルス機というのはそもそも機体色を地味にして視認を防いだり、レーダーの電波をあらぬ方向に反射させたり機体に吸収させることで発見を防ぐのですが、いまいち不安なので独自に開発した重力子高密度展開技術により機体周辺の空間を捻じ曲げることで、機体の反対側の景色を疑似透過させてみます。 やればできるものですね、本当です。 それより問題は欠品のタイヤです。 輪ゴムでも100本ぐらい巻いとけば充分だろうとタカをくくっていたのですが、飛行機のタイヤというのは数十から百数十トンある機体を支え、時速二百キロ強で地面と接触する着陸時の摩擦にも何度でも耐え得るという奇跡の工業製品だと気付きます。 ゴム自体の硬さや厚さ以上にゴムの中に埋め込まれた繊維層のおかげだそうで、とりあえず輪ゴムと一緒に大量のミノムシの糸を大量に巻いておきます。 ミノムシの糸はクモの糸を超える最強天然繊維だそうです。 こうしてなんとか組み上がったB2に搭乗し飛び立ちました。 そしてしかし、十分後に撃墜されました。 原因は飛行機雲です。 寒い時に息を吐くと白いのと同じ原理で、高高度の低温中を飛行していると航空機のエンジン排気ガスにより空気中の水分が氷結し粒となり飛行機雲が発生します。 これを防ぐために排気に塩化フッ化スルホン酸を添加するのですが、安物だったせいか付属していなかったのです。 せめて一言教えておいて欲しかったです、ゆるせません。 と、あぁ、「ゆるせない」ご入選の方々、おめでとうございます。 惜しくも逃した方々におかれましては、私と一緒に下町の工場でステルス機でも作ってそれを小説化しましょうか。 難しいからこそやる価値があるんだ、的な言葉をどこかで聞いたことがありますから大丈夫ですよ( --)゛
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「ゆるせない」ではなく「ゆるさない」でしたね、失礼(笑
夢のある短編小説 として(笑) 九十九さんのコメントを読ませていただきました。 表紙魔の僕の欲望が掻き立てられる素敵な小説(にしてほしい)だなあ!
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ありがとうございます( --)ノノ タイトルは「下町ステルス」ですね、これはその第0章です( --)゛ 笑
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撃墜からの生還、おめでとうございます♪(≧∇≦) 飛行機雲といえば、光の加減で光るようですね。 つい最近、火球に似た謎の光の筋が、夕空を移動する動画を見ました。(視聴者投稿のニュース) 専門家によると、光の筋の正体は、夕日を浴びて照らされた飛行機雲なのだそうです。 ステルスといえば、ステルススーツなどというものを、どこかのスパイ映画で見ました。 実用的なステルススーツって、現存しているのでしょうか……? 先日の妄想コン「泥棒」で、ステルススーツを使った犯罪のお話を書いた方がいらっしゃるかもしれませんね(^_^;)💦
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飛行機雲を含め雲というそれ自体はごく単純な物理現象なのですが、目に見えない気体の気圧や温度や流体力学的な要素によって複雑な形象を為すのですよね。 入道雲なんて、あれだけはっきりと塊になっているなら絶対上に乗れるよなぁ、などと未だに思います(笑 ステルススーツは先端技術を以てしてもやはりまだ難しいようですね。 静止していればプロジェクションマッピングのように体に背後の映像を映すなどである程度姿を隠すこともできるようですが、完全にとなると、ミミックオクトパスを全身に貼り付けるとかするしか無さそうです(笑
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