武城 統悟

オーロラの下で君のことを想うとき
狐火というので和風の話かなと思ったけのだけど、フィンランドではオーロラのことを狐火とも言うのだそうだ。 物語は美しく幻想的なオーロラの空の下で一人の青年が辿ってきた道を回想するところから始まる。 彼、水原諒は入院した病院で二つ年下の女の子、琴川はるかに出会う。二人は意気投合するが改善飲み込まれる諒と違いはるかの病は治る見込みがない。 そんな状況ではあったが、深い絆に結ばれた二人は結婚を誓い合う。 素敵な物語である。 しかし、物語は予想しない形で暗転する。 頭上を揺蕩う光のカーテンの下、雪原に一人佇む諒。 隣に立っているはずのはるかはいない。 夢見た未来は消え失せている。 ここから彼はどうするのだろう。 文面からははるかの元に行くようにも読み取れる。 それもいいのかもしれない。 人は理性的な生き物だし、諒の行為は社会的には絶対に許されない。 けれど、時にその理性を上回る強い想いがあり、絆がある。 秋月さんの作品は読む者に問いかける。 僕なら、どうしただろうか。 正解はない。 ただ、二人がこの世界から解放された静かな場所で穏やかに過ごせることを祈りたい。
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武城さん、ステキなレビューありがとう💕 諒とはるかは、不本意にも終わりを迎え、物悲しい結末へとたどり着いてしまった。 でも、二人の絆は切れてないと信じて、ちょっとだけ余白を残すラストにしたの。 読んでくれた人の胸の中で、また違う物語ができたらいいなあっていう気持ちもあって。 確かに正解はないよね。 それでも二人は恋をしていた。 紛れもない想いは、きっと純粋だったはずだから、武城さんの中で、それが生きていてくれたら言うコトはないの。 はるかというキャラクターは、とてもピュアな存在として描いたつもりで、対比する諒の一途さもあって、物語が箱庭になってほしいと思ってた。 オーロラという自然の美に、二人
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