狐火の空へ

この恋は一瞬の火花のように──。

秋月 晶

恋愛 完結
10分 (5,555文字)
🗨️北欧のオーロラを見てみたい🇫🇮

  56  1万

あらすじ

水原諒は、ひとり雪原に立っていた。 恋人との約束を果たすため、 彼女の、はるかの遺骨を抱いて⋯。 ねえ、はるか。 諒は空を見上げ、涙をこぼす⋯。 ♪ここで一首 ぐーすかと 眠りこけてる お姫様 私

感想・レビュー5

水原諒の吐息が伝わる

 冒頭とラストに強い熱源がある。それゆえに引力は凄まじく、読了後にかなり引っ張られた。まんまと作者の思惑に絡め取られたようだ。もちろん悪い気分じゃない。  今一度冷静に作品を思い返せば、本作は鮮烈な一文から始まる。さらには倒叙として描かれていて、その熱源に気を取られてしまう。が、結末に向かっていく過程の繊細なグラデーションが見事だ。  例えば水原とはるかが出会った場面から、『アニメ化したライトノベルを、さも高尚な読書のふりして読む。時折、近くを車椅子が通った。』という一文だけでも、水原の人間性が伝わってくる。  そして、この水原の性格を理解しているからこそ響く場面がある。それは、後に運命的な告
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簡単に答えを与えてくれない

 晶さんの物語を読むようになっていつも感じるのは、簡単に答えというものを与えてくれないということです。  明確に良いと思える親のロールモデルが存在しないばかりか、親が牙を剥いて、子を浸食するような世界で、守られるべき正義はどこにあるのだろうかといつも考えさせられます。  諒が意図的に証拠を隠蔽しようとしなかったのは、もしかすると裁判上で有利になるかも知れないです。なんとか諒には模範囚になってもらい、生き延びて欲しいと思うのは、読者としてのワガママなのは百も承知。  はるかも諒が社会復帰が出来ないということまでは望んでいないのではないと思います。  諒が刑務所から出て来れる日を願って。
ネタバレあり
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オーロラの下で君のことを想うとき

狐火というので和風の話かなと思ったけのだけど、フィンランドではオーロラのことを狐火とも言うのだそうだ。 物語は美しく幻想的なオーロラの空の下で一人の青年が辿ってきた道を回想するところから始まる。 彼、水原諒は入院した病院で二つ年下の女の子、琴川はるかに出会う。二人は意気投合するが改善飲み込まれる諒と違いはるかの病は治る見込みがない。 そんな状況ではあったが、深い絆に結ばれた二人は結婚を誓い合う。 素敵な物語である。 しかし、物語は予想しない形で暗転する。 頭上を揺蕩う光のカーテンの下、雪原に一人佇む諒。 隣に立っているはずのはるかはいない。 夢見た未来は消え失せている。 ここから彼はどうする
ネタバレあり
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その他情報

公開日2024/12/1

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