君から君へ

あの日僕は、僕に助けられた。

篠宮 小真夜

7分 (3,727文字)
コンテスト用にリライトした作品です。

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あらすじ

大晦日の田舎町。バスのなかで乗り合わせたのは、少年時代の僕であった。 少年は子猫を抱えている。 それを見て、僕は昔のことを思い出した。

感想・レビュー 3

今を懸命に生きている大人には、ぜひ読んでほしい一作です。

 身体の芯から冷える大晦日、寺泊行きのバスの中で「僕」は、見覚えのある少年に出逢う。不安そうな表情で小さな子猫を抱えるその少年は――かつての「僕」だった。  情景がリアルです。視覚だけじゃなく、肌を刺
ネタバレあり
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寒い中でも温かく、そして少し不思議

 バスでの道中という限られた空間の中で起こった少し不思議な話。「僕」の中で展開される物語はもしかすると本当の話なのかもしれませんね。寒い外と温かい内面を想起する設定が良かったです。  最後まで続く物語
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降り積もる雪、それは頷ける自分の生きた道に

着想そして話の展開、素晴らしいの一言に尽きます。 たった一本のバスの路線から展開されるファンタジー。 それは、バスが進むごとにひとりの人の来た道が映し出され、 それが素直に心を温めます。 そして、は
ネタバレあり
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