遊郭に咲く沈丁花

――2人は今宵も口づけを交わす。

中小路かほ

52分 (30,751文字)

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あらすじ

風に乗ってどこまでも遠くへ運ばれていく、沈丁花の香り。 蝶がその香りに吸い寄せられるように、 体に沈丁花の形をしたアザがある娘――せつなもまた “よからぬもの”を引き寄せる力を宿していた。 親