煙る蒼穹

銃後、戦争を終えた先にある泥濘

わびさび

13分 (7,651文字)

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あらすじ

 母親はその日暮しに追われ、父親は虚脱し、息子である季一郎は、二人に迷惑を掛けまいと奉公へ出る。  戦時に外れた歯車が、ますます噛み合わなくなっていく。  混乱の時代に狂う家族の物語。

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目次 1エピソード

感想・レビュー 2

帰還兵の戦争は終わらない

終戦後、復興ばかりに人々の目が向かう中、帰還兵たちの心の問題は置き去りにされてしまいました。 彼らは心の傷を一人で抱えたまま、戦争PTSDに苦しみ続けたのです。 私の母の従姉もそうしたPTSDを抱えた

一気読みしました。

当時の世相や状況を巧みに表現されていて脱帽です。 今でこそトラウマやフラッシュバック、PTSDなどメンタルケアの重要性が認知されていますが、昔は精神論ばかりでそんな言葉さえありませんでしたね。 戦後の
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