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エブリスタ小説大賞2022 竹書房/日本文芸社/エイベックス・ピクチャーズ 最恐小説・コミック原作大賞
 竹書房としては5回目となる「最恐小説大賞」。第3回、第4回受賞作は今秋、満を持して出版予定でありますが、それに続く新たな作品として本年度は「屍食鬼ゲーム」を選出いたしました。王道でありながら、これまで選んでこなかったデスゲームもの、クローズドサークルものを初選出しましたことは、原点回帰とも言えます。物語の先が気になり、どんどんページを繰ってしまう面白さ。その衝動を妨げないシンプルで読みやすい文章。目を引くようなレトリックや、目新しさがあったとは言いがたいですが、ホラーの求めるスピード感、誰が犯人(屍食鬼)かを予想しながら読む楽しさとスリルなど、当たり前のようで難しいことがきちんと備わっていたと思います。  主人公たちの年齢や文体と、作者が意図しているであろう読者(ターゲット層)の年齢が合致している点も評価いたしました。文体は比較的若い10代のティーン向けであると思われるのに、主人公は家庭をもった社会人であったり、内容も若い世代には共感の得にくいものなど、ちぐはぐな印象の作品も多かったからです。やはり内容にあった文章、文体は大事で、ある程度大人向けの小説、30代40代~も読者に想定しているのであれば、大人が読むのに耐えうる文章が求められます。もっとも、中高生向けならば多少稚拙な文章でも良いのかと言えば、そうではないでしょう。ただ、口語的な文体や、セリフがメインの書き方、一行ごとに改行していくライトノベル的なスタイルは若い世代ほど受け入れられやすく、読みやすいと感じられるのではないかと思います。  デスゲームもののブームはこれまで何度もあり、すでに「古い」あるいは「マンネリ」と言われかねないジャンルでもあります。構造上、どうしても「すでにあるスタイル」を踏襲することになりますし、その中でオリジナリティ、意外性を出していかねばならない難しさがあります。しかし、ブームが繰り返されるのはたとえマンネリであってもそれを求める人間心理というものがあり、飽きがこない究極のホラージャンルであることの証明とも言えます。コンテストでは「これまでにないもの」「新鮮」「斬新」といった未来感を求めることが多く、マンネリ要素があるものを選ぶのは正直勇気がいるのですが、初心に立ち返り、ホラーを愛する読者が求めるもの、高尚なものでなくとも純粋に面白い、怖いと反射的に感じられる作品を選んだ結果が今年の最恐賞であります。  そのほか、編集部では「藍沢響は笑わない」「スクリプト」「シレイ」「知ってはいけない言葉」の4作が最後まで候補に残りました。「藍沢響は笑わない」はヒューマンドラマとして纏まりがあり、作者の筆力を感じました。ただ、やはりホラーとしての怖さはドラマ性の高さと比較すると落ちるという印象。「スクリプト」も恐怖要素が薄めという点がもったいなかったのですが、キャラの多さをうまく捌けていたと思います。逆に怖さに担保があったのは「シレイ」。ただ主人公が主婦ということで、若い世代の読者を取り込めるかという点でやや疑問符がつきました。「知ってはいけない言葉」も土俗的な要素と新興宗教を絡めた意欲作でしたが、能力者が主体の話なので共感性にかけるのではという意見が出されました。  全体的に良かったことは、皆さん書きたいことをしっかりとお持ちであるということです。描きたいストーリー、作りたい世界観、動かしたいキャラたち、しっかりとそのヴィジョンが伝わってきました。反面、思いが先走り文章が粗くなってしまったり、あらすじのように話を進めることが優先になってしまっているのがもったいなく感じられました。本来、「ホラー=恐怖」は心が感じるもの、肌や空気でとらえる微妙な気配から絶叫に至るまで、感情が大きく揺れ動く繊細なものであるはずです。スピード感は大事にしながらも、怖さを感じさせる描写、間の取り方などは非常に重要な要素です。どうすれば怖くなるか、怖がらせることができるか、今一度思考をめぐらせ、丹念かつ丁寧な作品作りをしていっていただければと思います。皆さんの「次回作」に大いに期待しております! (竹書房)
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「ジャンルを問わずとびきりの恐怖を」のテーマ通り、各作品に様々な「恐怖」の在り方を見ることができ、どれも楽しく読ませていただきました。  大賞に選出した『藍沢響は笑わない』は、「純粋な恐怖」を求める人にとっては多少インパクトに欠けるかもしれません。しかしこの作品が卓越していたのは、恐怖を引き立てるための印象付け――つまり、日常が軽妙に描かれているからこそ、幽霊の出現するシーンで「相対的な恐怖」が演出できているという点です。恐怖を前提としつつ、その中に垣間見える物語の奥深さが高評価となりました。  今回応募いただいた作品の傾向として、人間の怖さに理不尽さやグロテスクさを掛け合わせたものが多い印象を受けました。もちろんそれらは恐怖として十分機能するものですし、ストーリーも派手にしやすいので、書き手としては構想を膨らませやすいテーマかと思います。しかし目新しさという点から見ると、やはり何かしらのアクセントは欲しいところです。  抽象的なアドバイスですが、執筆する前に「どんな人に読んでもらいたいか」を考えてみましょう。例えば「恐怖」をテーマにするのなら、ホラーの苦手な人が感じる恐怖と、ホラー作品を好む人が感じる恐怖、その二つの基準は全く異なるはずです。自分の作品は誰に向けた恐怖なのか。改めて考えてみると、意外な切り口が見つかるかもしれません。  自分にとっての「最恐」とは何か、次回以降もぜひ模索していただければと思います。 皆様のこれからの作品も、編集部一同楽しみにしております! (日本文芸社)
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 今回初めて最恐小説コミック・原作大賞に参加させて頂きましたが、応募作品のレベルの高さに驚かされました。心霊描写のホラーだけでなく日常の中の怖さなど様々な視点からの怖い物語など様々なジャンルでの募集とあって、新しい角度からの怖さを追求した作品が数多くあり、楽しみながら読めたと共に、非常に受賞作の選出に悩まされました。  最近のホラーの傾向か、特に目立ったのは突然集められて謎を解きながら脱出を試みる、ゲームをクリアするといったフォーマットの作品でしたが、まだこんなにパターンがあったのかとアイデアに驚かされました。今回は書籍として面白いもの、且つ映像化の展望が見えるものを選ばせて頂きましたが、選ばれなかった作品の中にも面白い作品が多数あり今後の可能性を感じました。  ご応募いただいたみなさまに感謝を申し上げます。 (エイベックス・ピクチャーズ)

最終候補(優秀作品を含む)

ホラー 完結
2時間57分 (106,119文字)

ホラー 完結 過激表現
3時間12分 (114,704文字)
・応募期間:2022年10月4日(火) 12:00:00 ~2023年1月9日(月) 27: 59: 59 ・中間発表:2023年3月予定 ・最終結果発表:2023年4月予定
※ダブル・トリプル受賞の可能性もございます。 ※ダブル・トリプル受賞をした場合でも、賞金は10万円となります。 ※優秀作品は中間発表時点で公表されます。 ※必ず@estar.jpを受け取れるようにメールの設定をお願いいたします。
※いずれも物語としてまとまっていれば、未完結でも問題ありません。 ※未完結の場合、半年以内に完結予定もしくは完結までの構想が決まっているものが望ましいです。 ※中間審査では最大15万字程度まで読んで選考、選評作成をいたします。 ※性表現に関するポリシーに記載のある「レーティングマーク設定が必要な作品」に該当する作品を準備、応募される際は、必ずレーティングマーク設定をお願いします。 ※シリーズタグが設定されている作品は、第1話のみ応募いただければ、シリーズ全話が選考対象となります。 ※第三者の著者権その他の権利を侵害した作品(他の作品を模倣するなど)は判明した時点で応募が無効となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※応募はお一人様3作品までとなります。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中の作品はご応募いただけません ※書籍化およびコミカライズにあたり、タイトルや内容が変更となる可能性があります。
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コンテストの注意事項(必読)