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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第226回「届けたい○○」
 やや抽象的なこともあり、書き手の試行錯誤が感じられた今回のテーマ。とはいえやはり、手紙やプレゼントといった王道な内容で、温かな読み心地の作品が多かったように思います。  届ける“もの”のアイデアがおもしろい作品はあったのですが、発想を物語に昇華できていないと感じることも。今回であれば、送る側と受けとる側の感情がどう変化するのか、それによって物語がどう動くのか、といった風にお話をふくらませてみてください。

大賞

死に瀕した祖母から、ある手紙の処分を頼まれた梓。祖母宛ではないその手紙について調べ始めると――。主人公にシンクロし、手紙の謎を共に追い求めているようで、どきどきしながらページを捲りました。そうして辿り着いた真相のせつなさに胸がぎゅっと締め付けられ、目頭が熱くなります。ほんの少しのファンタジー要素も、良い味付けになっていました。

準大賞

よく使う通販サイトのゴールド会員になった。その特典に、“小さな幸せ定期便”というものがあって? 毎月小さな幸せが届くという設定に、次はどんなことが起きるのかとわくわくしました。そんな幸せを下心はあれど、素直に誰かに譲れる主人公も素敵で、応援したくなります。小さな幸せを大きな幸せにできるかは自分次第、というコンセプト通り、前向きなパワーをもらえました。

入賞

受取人の不在で届けられないクール便。母から娘への物と思しき荷物に、工藤は自分の境遇を重ねる――。必要不可欠だが顧みられることは少ない、そんな宅配ドライバーの苦労や仕事への想いが丁寧に描かれています。テーマの使い方もストレートながら、一つの荷物に執着する理由や、ようやく届けられたその後のエピソードなど、物語としてしっかり仕上げられていました。

佳作

長い入院生活の中でできた初めての友達との交流が微笑ましいです。しかしどちらも病魔に蝕まれているがゆえに引き裂かれ、隣の部屋にいるにも関わらずメッセージを送りあう様子には、温かくも胸が痛みました。終盤にはまさかの展開に驚かされつつも、タイトル通り春のように温かなラストに涙がこぼれました。
娘が行方不明になり憔悴する夫婦の元に、娘が身に着けていたアクセサリーが届いて――。静かな緊迫感に満ちた展開に、思わずこちらまで息が詰まります。伏線の張り方も上手く、確かな筆力を感じました。娘や主人公の想いが明かされるラストがなんともやるせなく、余韻が残ります。
住民の荷物を勝手に開け、ゴミを漁る。そんな非常識な大家に辟易し、引越しを考えていると――? 短編ミステリーとしてうまくまとまっており、何より大家の強烈かつ絶妙に“いそう”なキャラクターが光っています。終盤で啖呵を切る彼女の姿にスカッとしました。
花屋で売られるマーガレットは、店の入口に咲くタンポポと仲良くなった。けどタンポポが摘まれてしまって!? 童話的なお話ながら、続きが気になる展開を書けています。花屋のマーガレットと野に咲くタンポポの交流と、幼い2人の恋が絡み合う構成が素敵で、ほっこり優しい気持ちになれました。
母の死でばらばらになった家族は水曜の夜だけ、元の仲良し家族に戻る。天国からの届け物によって――。母というピースがなくなってことで家族が歪であったと気付くこと、父を共通の敵とした姉弟がつながりを強めることなど、不格好な家族像の描写にリアリティがありました。母の料理の正体は序盤で予想はつくものの、彼らがまた家族として過ごせる日を願わずにはいられません。

超短編賞

連日下駄箱に届く人違いのラブレターを、その都度正しい届け先に入れていたら――。オチ自体はすぐに読めてしまいますが、発想がおもしろく、何よりオチがわかっていてもにやにやせずにはいられません。さわやかで可愛らしい青春ラブコメでした。
身に覚えのない荷物が置き配されていた。当然、受け取り拒否をしたのだが――? この短さながら、伝えたいテーマが明確でわかりやすいです。置き配というシステムが浸透した今だからこそ、オチの怖さにリアリティがあり、背筋がぞわりと粟立ちました。

続きが読みたい賞

想い人から「バッティングセンターでホームランを打ったら付き合ってもいい」と言われ、奮闘する主人公だが? ベタな内容ながら確かな筆力で、主人公が自分の気持ちに気付く瞬間を演出できているので、胸キュン最大風速が強いです。彼のこれからを応援したくなる、さわやかなラストも心地よかったです。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2024年7月10日(水) 12:00:00 ~ 2024年8月11日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2024年10月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位20作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位20作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第226弾です。 今回のテーマは、「届けたい○○」です。 どこかに必ず「届けたい○○」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・何度訪れても不在の家……この荷物はいったいいつになったら届けられるんだ!? ・依頼成功率100%の凄腕運び屋。そんな彼に預けられたのは、まさかのラブレターで? ・もう何十年も前のこと。けど私はどうしてもあなたに届けたい……この恨みと、復讐の刃を。 ・突然家を訪ねてきた男が持ってきたのは、幼い頃に亡くなった姉のボトルメールで――。
物も気持ちも、大抵はすぐ届けられる現代。その利便性は、早く届けたいという想いが育て上げたものなのかもしれません。 そんな「届けたい○○」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第227回のテーマは「あと一回」です。 本コンテストと平行する形で2024年7月24日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第227回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト