@りかりー:りかりーと申します。 いつもたくさんのお星さまありがとうございます。 お礼にミニ話をプレゼント! (*´∇`*)感謝!! 『オレの可愛いシモベ』 校門の前で男共の人だかり。 その人だかりを見て、嫌な予感が……まさか、な。 だが、そのまさかで、男共に囲まれて顔を真っ赤にしているオレさまのシモベがいた。 オレが出ていくと、男共が振り向いて慌てて道を開けた。 ギロッ 男共を睨んで、凍りついた輪の中心から、シモベの腕を引いて連れ出した。 なにが「可愛いよな💓」だ! 可愛いに決まってるだろ! このオレが手塩にかけて育てたんだからな! ふたつ下のオレのシモベ。 シモベはオレの本音を知らない。 「こ、これ、しーちゃんに渡したくて」 そう言って、おずおずと差し出したのは、白と茶のどうぶつの型抜きクッキーたちだった。 摘まもうとして、すっ、横から手が伸びてきて、クッキーをつまみ食いした。 「ん!甘さも控えめ。サクッと感も申し分ないな」 オレを怖がらないヤツがひとりいた。 オレの睨みにも平然としてシモベのクッキーを食っている。 「今度は俺のために作ってよ」 シモベはオレを見上げ途方に暮れたような顔をする。 作らせるわけないだろが。 クッキーひとつ取られただけでこんなにムカついてるのに。 「シモベちゃんって、いいよな」 そう言われて、頬を赤く染めるシモベはオレの袖をぎゅっと掴んでる。 「なあ、静也。そのシモベちゃん、俺に譲ってくれない?静也の言うことならなんでも聞くんだろ?」 聞いた瞬間、シモベの顔色が変わった。 傷ついたシモベの表情に頭の芯がぶちギレる。 昔、シモベを傷つけオレから取り上げようとしたヤツがどうなったかみんなが知ってる。 オレの逆鱗に触れたらどうなるか。 頬を一発殴って胸ぐらを掴んだオレの背中にシモベがしがみついた。 「しーちゃん、ダメ」 ぴくっ 「それ以上殴ったりしたら、しーちゃんの手が傷つくから……」 魔法の言葉だ。 呪いが解けてくように力が抜けてく。 シモベには敵わない。 オレの大事な可愛いシモベ。 オレは、ゆう、おまえにホレてる。 完
如月ゆう
ミニ話ありがとうございます♥️ お話の中に自分の名前があると、嬉しくなりますね。
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@りかりー:如月ゆうさん、いつもたくさんの応援ありがとう! 感謝を込めてミニ話をプレゼント🎵 ひと夏の恋 「見て!すっごい良い天気!!」 わたしは高校時代からの友だちと3人で夏の海へとやって来た。 目の前はどこまでも続く青い海! そこから5分ほど歩くと大人気のコテージがある。 「こんな素敵なコテージに泊まれるなんて最高!!」 なんて、コテージを見上げて喜んだのもつかの間。 予約してたと思ったコテージには泊まれず、夏休み真っ最中で海辺のホテルの部屋も取れず、わたしたち3人は途方に暮れた。 黄昏時、荷物を抱えたまま海の家で撃沈…… 「ごめんね……とても楽しみにしてたのに、わたしがちゃんと予約取れたか確かめなかったから……」 ふたりに申し訳なくて涙が零れた。 そんなわたしたちを見かねて、海の家のオーナーの月野さんが声を掛けてくれた。 「今、夏休みで人手が足りてないんだ。もし良かったら少し手伝ってくれないかな?手伝ってくれたら、海の家の宿泊が空いてるし提供するよ」 それに……ほら、こんなむさ苦しいのばっかりだと男性客来ないだろ? そばにいた男性をふたりを指差し小声で言った。 わたしたちは月野さんの言葉に甘えて、海の家を手伝う代わりに、コテージに泊まらせてもらうことになったのだった。 コテージには月野さんと、その従業員の男性がふたり。 わたしたちは4日間ほどお世話になりますと挨拶をした。 部屋は綺麗で、月野さんも働いているふたりも優しくて、海の家でのお手伝いはとても楽しかった。 「手伝ってくれてありがとな。さっき、花火買ってきたんだけど、よかったら」 「花火大好きなの。嬉しい! 」 2日もすると、男性ふたりと友だちは良い雰囲気に。 笑顔の絶えない月野さんは、 「あのふたりに、俺が出張る必要なさそうだな」 庭でバーベキューをしながら、目を細めてふたりを見てた。 わたしはと言えば……隣に並んでる月野さんが気になって、ドキドキしてた。 わたしたちが困っていた時に手を差し伸べてくれた、その手をわたしは忘れない。 さりげない優しさに惹かれてく。 あと1日の滞在というところで、海の家に大人気アイドルの遠峯梓が月野さんに駆け寄ると抱きついた! 「会いたくて来ちゃった!」 月野さんに満面の笑みで抱きついたアイドルに、わたしは持っていたトレイを取り落とした。 うそっ!?
如月ゆう
ミニ話ありがとうございます! 続き気になります(^-^)
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@りかりー:つづき、2枚目です。 七夕。 それは、一年に一度だけ、愛しい者と会える日。 遥か天の川を渡って、たった一晩かぎりの逢瀬。 それでもいい。 君の元気な姿をひとめ見ることができるのなら。 あの時言えなかった言葉を伝えることができるのなら。 たったひと言。君に。 七夕まつりの夜。 あの時と同じ浴衣に袖を通して、 あの時と同じように出店を抜けて、 あの時と同じように高台へ登って、 あの時と同じように打ち上がる花火を見た。 花火はもうすぐ終わる。 そして、俺の恋も終わる。 静かに目を伏せる。 打ち上がる花火の音が、最後の恋を散らしていく。 カラン 不意に、微かな下駄の音がして振り向いた。 「よかった。流星くんがいてくれた。……っ!?」 鮮やかな光の色に照らされた牡丹柄の浴衣。 君の面影を濃く残す大人になった笑顔。 振り返ると同時に駆け出して、この腕に抱き締めてた。 もう二度と会えないと思った。 もう生きていないかもしれないと苦しかった。 「約束したよね。5年後に会おうって」 ああ、言った。言ったさ。 病気でこの街を去らなきゃいけないって知って、どの街へ行ってもいい、君に生きてて欲しいと思ったんだ。 「わたし、頑張ったんだよ。流星くんが七夕まつりで会おうって言ってくれたから」 華奢で細い体。 たくさんたくさん頑張ったんだろう。 抱き締めきれなくて、もっともっと抱き締めたくて腕に力をいれた。 今夜、この一瞬でいい。 君に会えたキセキ。七夕の奇跡。 「流星くんは……いつも温かかったね。うわべじゃなくて心が。こんな風に」 背中に腕が回されて、君が目を潤ませ頬を擦り寄せた。 あの時と同じ優しい香りがする。 片時だって忘れられなかった。 子供の恋だと笑われようとも。 君に会えた。 5年前、あの夜に言えなかった想いをすべて伝えるよ。 ずっとずっと好きだったんだ。 「もうどこにも行かせない……ゆう、二度と離さない」 最後の大輪の花 夜空の星たちがふたりを照らしていた─── 【完】
如月ゆう
こんばんは!ミニ話ありがとうございます(^-^) 前回はお声かけいただいたのにお返事できなかったので、お話届いて嬉しいです♥️
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こんばんは。お返事出来なくてごめんなさい。少しバタバタしていて、あと数日お時間いただけますか?
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@りかりー:りかりーと申します。 こんばんは! 毎日たくさんのお星さまありがとうございます(*´ω`*) お礼にミニ話をプレゼントφ(゜゜)ノ゜ いつも本当に感謝です! 黒豹の恋(後編) 転入してからしばらくして。 廊下を歩いてたら、「ちょっと待て。おまえ、強い気配がしてる」と、有王先輩に顔を覗き込まれた。 「この気配、あやかしに取り憑かれているのか。かなり、ヤバそうだな。すぐに祓わないと……これを見ろ」 有無を言わせず先輩の出した紙切れを見せられた瞬間、体に力が入らなくなって意識が途切れた。 ※※※ 気がつくと、大きな屋敷の庭に座らされ、有王先輩が護摩を焚き呪を唱えていた。 「ここは……?」 「俺の家だ。いいか、見てろ。おまえに憑いているモノを引き摺り出す」 そう言って、唱えた呪の炎の中から現れたのは、漆黒のしなやかな体を持つ獣だった。 護摩焚きの前に、悶え苦しみ転がり出る。 その姿が、転がりながら黒豹へ、お兄ちゃんの姿へと変わってく。 「見ろ、正体はあやかしだ」 有王先輩に現実を突きつけられ、驚きでお兄ちゃんが伸ばした手をつかむことができなかった。 そして、我に返った時には、黒い獣もお兄ちゃんの姿も消えて、ひとりぼっちに戻っていた。 「これでいい。あやかしは消えた」 「そんな……」 ※※※ あれから、夢に見るのは、会いたくてたまらない人のこと。 お兄ちゃんだった人は、あのあやかしは、本当に消えてしまったの? 月のない夜、ぼんやりと座り込んでいたら、窓辺に一瞬だけ黒い獣の姿が見えた。 「待って!」 あやかしでもかまわない。お兄ちゃんでなくてもいい。 わたしの願いを叶えてくれたのは、あなただから。 「置いて行かないで!わたしも連れてって!」 背を向けた黒豹にしがみついた。 「……きっと後悔する、それでも?」 絶対に後悔しない。 「一緒に生きていきたいのは、あなただとわかったから」 「……ゆう、我についてくるならもう逃がしてやれない。それでも?」 「それでもいい。どこへでも連れてって」 黒い獣から人の姿になってわたしを抱き締めた。 「ああ、どこまでも一緒に行こう」 完
如月ゆう
こんばんは。年末に身内に不幸があったので、バタバタしたりで少し読書量が減っていました。今日はミニ話を読ませて頂いて感謝です。ありがとうございました😌
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黒髪で肩より少し長めのストレートでお願いします。ン十年前、高校生の頃の髪型です。
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@りかりー:2枚目です。 どうでしょうか? 感謝を込めて送ります(*´∇`*) 『龍神さまの溺愛』続き ※※※ そっと目を開けると、柔らかくて温かい光が全身を包んでいた。 気づくと背中の痛みもいつの間にか消えていた。 「龍神、さま……?」 九尾の狐も鬼の頭領、そして孝太も。 みんながわたしの顔を覗き込んでいた。 「遅いぞ。やっと来たか」 龍神さまの元に戻ってこれた。 みんなのいるところへと帰ってこれた。 「ただいま、……龍神さま。みんな」 泣きたいほど嬉しくて龍神さま、みんなを抱き締めた。 わたしの命を繋いでくれたみんなの思いが体の中で温かく光ってる。 「……龍神さま、少し苦しいです。そんなに強く抱き締めなくても」 わたしの龍神さまは力が強い。 「我慢しろ、……もう少しだけだ」 掠れた声。涙声だ。 本当はわかってる。 龍神さまもみんなも無茶なほどの力を使ってわたしを助けてくれたってこと。 それだけ龍神さまはわたしを失いたくないと思ってくれたってこと。 不器用な龍神さまが誰よりも愛しすぎる。 「さてと、俺は彼女に会いに行ってこようかな。龍を見てたらなんだか悔しくなった」 「え?」 「俺も嫁さんを探しに行こ。どこにいるのかな、俺のマイハニーは。龍、じゃあな」 「えっ?えっ?」 「おっと、孝太も来い。俺がいい女を紹介してやるから」 「えっ?えっ?えっ?」 突然、孝太を引きずるようにしてあやかしたちの姿は消えて行った。 残されたのはわたしたちふたり。 龍神さまはゆっくりと顔をあげてわたしを見つめた。 琥珀の目がとてもきれい。 「……おまえを誰にも渡したくない、ゆうが、好きだ」 その瞳にわたしが映ってる。 「死にかけた俺を救ってくれたあの時からずっと。……もう、待てない」 触れるくちびる。 甘く約束の時を結ぶ。 「今夜、俺の花嫁になってくれるか?」 真っ直ぐに伝えられた心に、わたしは微笑んで頷いた。 「大好きです、龍神さま」 【完】
如月ゆう
わたしと龍神さまの想いが報われて嬉しいですね。わたしの為に力を貸してくれた他のあやかしと孝太にも感謝です。◕‿◕。
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@りかりー:如月さん、毎日応援ありがとう! お礼にミニ話をプレゼント(*´∇`*) 「ゆうっ!!」 崩れるように倒れたわたしを龍神さまが抱え叫んだ。 何が、起こったの? 振り向くと幼馴染みの孝太の手には血の付いた太刀が握られていた。 顔を上げた孝太は焦点の合わない目で、太刀の先を見る。 次の瞬間に、孝太の口から黒い靄が吐き出され、その黒い靄は膨らみ巨大な蛇になった。 「邪神かっ!?」 「龍神になれず邪神に墜ちた蛇め!」 わたしを抱えた龍神さまの手が真っ赤に染まって、命よりも大切にしていた珠が流れてく。 ああ、わたし死ぬのかな。 龍神さまの体が震えてる。それが答えだとわかった。 「待ってろ!絶対に助けてやる!」 九尾の狐が叫び元の姿に戻り毛を逆立てて黒蛇に躍り掛かる。鬼は長い爪で蛇の目を切り裂いた。 孝太は蛇が抜け出ると我に返った。 「俺は、なんてことを!」 「孝太は悪く、ないよ……」 蛇邪神に憑かれただけだもの。 微笑むと口から熱いものが滴った。 「助けて、やる!」 龍神さまの震える声に、 わたしは最期に龍神さまの頬にくちびるを寄せた。 力を失くしてくわたしを龍神さまが震えながら抱き締めてくれた。 静かに目を閉じ、龍珠が龍神さまの手に戻ってく。 お返ししますね、龍神さま─── ※※※ 絶望に打ちひしがれる。 失ったものは魂の片割れ。もう二度とこの手には戻らない。 天を仰いで魂の片割れを手に抱き上げると空へと舞い上がる。 『天よ、叫べ!』 青かった空が一瞬にして雨雲に覆われ雷が落ちる。風が吹き荒れ、雨も雹も地を叩く。 あの心優しい娘に神もあやかしも救われた。 その笑顔に、その小さな手に心が救われた。 それを一瞬で失った。 バキバキドドーンッ 天の怒りと悲しみが黒蛇を貫いて、真っ黒に焦げた黒蛇は粉々になり吹き飛んだ。 龍神に残されたのは、魂を失った片割れの身体だけ。龍神は手の中の娘に頬擦りし、大粒の涙を溢した。 二度と龍の珠は命を繋がない。 それでも龍神は奇跡を信じて龍珠を娘の胸元に置いた。 「俺の尾を分けてやる。必ず助ける!」 「もちろん俺の頭の角もやろう。神力と妖力を合わせればどうにかなるかもしれない!」 「俺だってこいつのためなら!」 皆が龍珠に手を翳す。 奇跡が起こることを信じて…… 2枚目につづく
如月ゆう
いつもありがとうございます!ミニ話楽しみにしていました。
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人見さん、お誕生日おめでとうございます✨ 私よりかなり年若い人見さんの死を見つめていた姿に 心が痛かったです。 残された律ちゃん、最愛の人をおいて旅立った人見さんにどんな言葉を届けていいか悩んでしまいました。 今日は律ちゃんとお子さんと大切な時間を過ごせますように 離れた場所からお祈りしたいです。
こんばんは、コメント頂けて本当に嬉しく思います✨ 最初にボディーガードのお話を目にしてから色々読ませて頂いてます。登場人物が魅力的な方たちばかりで ドキドキ💓キュンキュンしています。(年甲斐もなくてごめんなさい)柚葉ちゃんのこれからなど楽しみにしていますね。
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@りかりー:目が覚めると狼の姿はなかった。 幻?幻覚? 部屋には優しかった狼の陽だまりの微かな香り温もりが残ってる。 「もうすぐゆうの誕生日だな。何か欲しいものはないか?高価なものは買ってやれないけどな」 お兄ちゃんと朝のごはん。 いつぶりだろう?優しいお兄ちゃんが戻ってきてくれたみたいでとても嬉しかった。 「欲しいものはないよ。そばでお兄ちゃんが笑っててくれるんなら何にもいらない」 欲しいものはひとつだけ。 お兄ちゃんとふたり穏やかに過ごしていきたい。 「欲がないな」 お兄ちゃんが笑う。こんなふうに笑ってくれるなら何も。 ごはんを食べ終わると車で学校まで乗せてってくれた。 車を降りると、後ろから声を掛けられた。 この声は…… 「……芝くん」 昨日キスされた。一瞬で体が動かなくなる。 「妹に何か用か?」 お兄ちゃんの眼鏡の奥の眼差しが凍った。 「俺の女を迎えに来て何が悪い」 「俺の……女?」 だめ、それ以上言わないで! 眉を寄せるお兄ちゃんの前で、芝くんはわたしの肩を引き寄せた。 違う。わたしは芝くんと何も。 ハッとした。 そうだ見られてた。お兄ちゃんに…… わたしはお兄ちゃんを振り返る勇気がなかった。俯いたままその場を後にした。 その日の夕方。 お兄ちゃんと夕食を食べながら、 「安倍 芝だったな。あのガ、……あの男はおまえの彼氏か?」 お兄ちゃんの言葉に心臓が跳ねた。 「彼氏じゃ、ない」 「……そうか」 キスされたのに気づいてるのにお兄ちゃんは何も言わなかった。 わたしもどう言っていいのかわからなくて箸を置いた。 その夜、締めたはずの窓が風に開いていたのに気づくと、優しい香りがしてそばに狼が立っていた。 何故か怖くない。美しい毛並みに顔を埋めると包み返してくれた。 その次の夜も狼は部屋にきた。 頬を優しく舐めてわたしの体を包むように丸くなる。わたしが寝入ると夜明け前には戻ってく。目が覚めた時にはいない不思議な狼。 そんな夜が続いて、わたしの誕生日が明日に迫った時、 「今夜はこいつを家に帰さないから。いいよな?センセ?」 芝くんは挑戦的な目でお兄ちゃんの前に立つとそう宣言したのだった。 うそっ!! 後編へ続く
如月ゆう
ミニ話いつもありがとうございます✨ 後半がどうなるか楽しみです💕
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はい、楽しみにお待ちしています♪
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りかりーさん、返信遅くなってごめんなさい。 髪型はピンクがかったブラウンのロングで、身長は155センチくらいで普通体型、眼鏡かコンタクトが必要で、外見的の自己評価は少し低めだけど友達には恵まれてる・・・という感じでいいですか? 名前は綺衣と有砂(家族の名前ですけど)
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@りかりー:いつも応援ありがとう! お礼にミニ話をプレゼントφ(゜゜)ノ゜ 『白虎と過保護な幼なじみ』 「ゆう、ちゃんとベッドに入ってろ。熱が高いんだから」 幼なじみの慶ちゃんはわたしを抱き上げてシーツの中に押しこんだ。 「慶ちゃんは過保護だよね、ただの風邪なのに」 「いいから寝ろ」 慶ちゃんは過保護すぎる。 「ちゃんと暖かくして寝てろよ。おやすみ」 頭をポンポンとすると帰ってった。 ある日、道で弱ってた犬を拾って家に連れ帰って手当てした。 「これ、犬なんかじゃないぞ。たぶん」 慶ちゃんは名前をつけた芝虎(縞模様が虎に似てた)の首根っこをつまみ上げた。 そうして、一緒に過ごして。 学校からの帰り道歩いていたら無理やりに草木の中に引き摺りこまれた。 「や、助けてっ……むぐっ」 押さえつけられたわたしを、ガルルル 大きな白いものが跳んできて目の前の男をひと噛みして助けてくれた。 みると、大きな白いものは芝虎とそっくりで……? 「俺が助けに来なかったらヤられてたぞ。わかってんのかよ」 驚くわたしの前で大きくなった芝虎はどうみても人間の青年の姿に変わってく。 月に照らされた姿は、短い黒髪に青い瞳。芝虎と同じ…… 「俺はもう我慢しない。見守ってるだけなのもやめた。他の男のものになど絶対させないからな。覚えとけ」 くらりとする眼差しに見据えられ、わたしの意識は途切れた─── 「ウソ……だろ?」 隣の家の慶ちゃんが部屋のドアの前で、こぼれるばかりに目を見開いていた。 「慶一郎、おまえこいつが好きだよな。だが、やらん。こいつは俺のものだ」 芝虎は当たり前のように言って、わたしの頬を舐めた。 「いいか、俺はこいつと毎日一緒に寝てる仲なんだ。邪魔するな」 「それはおまえが小さな犬だったから抱いて寝てただけだろ。芝虎、離れろよっ」 白虎から変化して人間の姿になってはふたりでわたしを挟んで言い合いしてる。 慶ちゃんはもしかしてわたしのこと……? 「ああ、好きだよ。好きに決まってるだろ。ずっとまえから」 思いがけない告白に驚いた……けれど、わたしは。 「さわるな、俺の女に。慶一郎の匂いがつく」 そう言って触れられたところを芝虎が舐める それだけで顔が熱くなってくる。 「絶対に逃がさない。死ぬまでおまえは俺のものだからな」 完
如月ゆう
ミニ話ありがとうございます(^^) みなさんより早く読めて嬉しいです💕
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いつも、お話の更新楽しみにしています(^^)
@りかりー:いつも応援ありがとう! お礼にミニ話をプレゼント(*´∀`) 『小龍の噛み痕』 神さまの御使いで地に降りた時、 小さな蛇だと言うだけで子供らに木の枝で突つつかれ振り回され、理不尽にも殺されそうになった。 子供らに叩かれて鎌首をもたげていた俺は、助けに入った子供を人の子憎さのあまりに思い切り噛みついたのだ。 「……白い蛇さん、みんなが意地悪してごめんね。痛かったでしょう?」 子供は噛まれた腕から血を流しながらも、俺の体から噴き出す血を拭ってくれた。 その小さな子供の噛まれた腕には神に仇なした印が残ってしまったのだ。 子供は俺を守ってくれようとしたのに。 せめて罪滅ぼしにこの子供をどうにかして護ってやらなくては。 そう決意した俺は空から陰ながら見守り、時には人の前に姿を現して、神に仇なした印を持つ子供を守り続けた。 そして、いつしか人の子に抱いてはならない想いを募らせていったのだった─── ※※※ 「お!なんだ?白い蛇がいるぞ!!」 公園の隅で木の枝でつつかれていたのは真っ白な蛇だった。 みんなでよってたかって威嚇する白蛇を追い回している。 ───やめて 白い蛇が傷ついてくのを見ていられなくなって、幼いわたしはみんなの前に割って入った。 ガブッ、 白い蛇はわたしの腕を思い切り噛んで、驚いたみんなは我先へと逃げ出した。 白い蛇はわたしを威嚇するとそのまま草むらへと姿を消した。 そしていつしか、そんな出来事があったことも忘れていった─── 人見知りで友達もいない歴16年。 そんなわたしの前に転入してきたのは誰もが振り返るような容姿の男子だった。 「白瀬です。よろしく」 その瞬間に白瀬くんと目が合った。 イケメンでクラスの女子に囲まれた白瀬くんは、 「俺には好きな子がいるから」 アプローチを断って、出会ったばかりのわたしを見ていた。 どうしてなのかわからないままだった。 階段を踏み外して落ちた時、受け止めてくれたのは白瀬くんだった。 お礼を言うと、 「……助けられたのは俺の方だ」 そう言って白瀬くんは去っていった。 学校からの帰り道、いきなり後ろから羽交い締めにされて草むらに引き摺り込まれた時も、 「……怖かったな。もう大丈夫だ」 震えるわたしを抱き締めてくれたのは白瀬くんだった。 何故かいつも見守っていてくれるようなそんな気がした─── 続く
如月ゆう
早速ミニ話読ませて頂きました(^-^) 続きが待ち遠しいです💕
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@りかりー:後編の2枚目です! 届くでしょうか? 『オタクの恋』後編の2枚目 うそ…… 転がっていた棒を掴むと、清四郎はわたしを押さえつけてた佐藤くんを振り飛ばした。 後のふたりが飛び掛かり清四郎の背中を羽交い締めにする。 どうして……ここに? もしかして助けに来てくれたの? 3人を相手になんて無理に決まってるのに。 逃げて!でないと清四郎がやられちゃうっ!! 「ゲーオタをナメるなよ!」 叫んで背中のふたりを振り払う。 横から殴られて清四郎のくちびるが切れて朱が滲んだ。 そのくちびるを拭うと、相手に拳を鳩尾に叩き込み廻し蹴りで地に沈めた。 ハアハア 息を荒くして清四郎は滴る汗のまま、わたしの前にしゃがみこむと猿轡をほどいてくれた。 涙目で見上げるわたしを清四郎の腕がそっと包みこむ。 「……俺から、離れるな」 「せい、しろう……?」 混乱してどうしていいのかわからなくなる。 清四郎の熱い吐息が耳に触れて小さく震えた。 「俺にはゆうだけいればいい。見た目が変わったからって寄ってくるような女ならいらない。……いらないんだ」 懇願するような声。 わたしを抱き締める腕に力がこもった。 「……だって、だって、清四郎には好きなひとがいるって」 わたし聞いて知ってるよ。だけど─── 「……ホント、に?」 涙が溢れて止まらない。 清四郎の言葉が胸の奥に染みて想いが競り上がってくる。 「ああ。おまえが好きだ」 柔らかい眼差しが降ってきて、浮かんだ涙を清四郎の指先がそっと拭った。 「………わたし、好き、って、……言っていいの?」 ずっと一緒にいるものだと思ってた。 だけど、清四郎には好きな人がいるって聞いて、……わたしだけが淡い想いを抱えてたんだってショックだった。 だけど、清四郎の恋を応援してあげたくて…… わたし、好きって言っていいの? 清四郎のそばにいていいの? 「おまえじゃなきゃダメなんだ。今までもこれからも俺の隣にいるのはゆう、おまえだけだ」 低くだけど甘さを含む声。 清四郎の指がわたしのくちびるに触れた。 「わたしも、……好き。清四郎が、好き」 瞬間に、清四郎のくちびるが重なった。 息ができないほどの想いが流れ込んでくる。 「やっと、……つかまえた」 わたしの初めては全部、目の前の清四郎に━━━ 完
如月ゆう
ありがとうございます、届きましたよ(^.^) 早速読ませて頂きました。作品の中に自分の名前がでてくるのは ドキドキしちゃいますね💕
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@りかりー:如月さん、いつも応援ありがとう! 忘れずに通ってくださって感謝です! 『オタクの恋』後編の2枚目のうちの1枚です(*´∀`) 『オタクの恋』 オタクで冴えない清四郎をイケメンに変身させたのはいいけれど、女の子に囲まれた清四郎を見るのはモヤモヤ…… そんな時、いきなり拐われて─── ※※※ 「……教室に、まだ帰ってきてない?」 清四郎は教室のゆうの机の上のカバンを横目に、纏わりついている女たちを見下ろした。 誰かに呼び出された後、もうかなり時間が経っている。 「ねえ清四郎くん、カラオケ行こうよ。新しい店、結構評判いいんだよ」 「それともクラブの方がいい?」 わざと話を反らす彼女たちの組んできた腕を振り払った。 その瞬間、彼女の握ってた携帯が床に落ちて画像が見えた。 それは猿轡を噛み、手足を縛られ床に転がされたゆうの姿だった。 なっ…………!? 拾い上げると、さらにもう一枚の画像が送られて来た。 それを見た瞬間に頭の中でブツリ何かが切れた。 「おい!この場所はどこだ!!」 ※※※ 「……ぅ」 気がつくと手足が縛られてて、口には猿轡が噛まされ床に転がされていた。 手首の縄を外そうとしてもがいたら赤く擦れて血が滲んだ。 頭が重くて働かない。ただ早く逃げないとと焦りだけは増してく。 焦るわたしの前に、ガチャッと音がして鍵を開けて室内に入ってきた男ふたりの後ろには佐藤くんがいた。 佐藤くんたちは薄笑いを浮かべてわたしを見下ろした。 「へえ、なんだ意外と可愛いじゃん。ラッキー!」 「俺が一番最初だからな。後はふたりの好きにしていい」 こわ、い……清四郎、たすけて…… 近づいてくる佐藤くん。足の縄をほどかれてずりずりと壁に下がるわたしを上から押さえつけた。 スマホでわたしの姿を写して嘲笑ってる。 「動画だけじゃなくて体にも口止めしとかないとね。後で騒がれてもイヤだし」 胸のシャツを乱され、スカートの脚を開かされ佐藤くんの体が割ってくる。 「……や、ぁっ!」 声にならない悲鳴をあげた。 その瞬間、 バキッ 鍵が掛けられていた戸が蹴り破られた。 「そいつに、触れるんじゃねぇ!」 荒い息を繰り返しているのは、泣きたくなるほど大好きなひとだった。 2枚目に続く
如月ゆう
りかりーさん、いつもありがとうございます(^^)
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@りかりー:『オレ様のシモベ』ふたりきりの夜 2枚目 「ふみ……」 零ちゃんの胸もドクンと音がした。 零ちゃんのキレイな顔が近づいてきて、 くちびるが触れそうになった。 「……どうせ抱きつかれるなら、胸の大きい女がいい」 「ご、ごめんなさい」 零ちゃんがわたしに優しいわけがなかった。 慌てて離れようとしたわたしの腕を零ちゃんが引いた。 「まあ、今夜は夜食の礼も含めて抱きつかせておいてやる。こうしてりゃ暖かいしな。……なんでそんな表情してんだよ。まさかオレ様がおまえにキスするってか?ありえないだろ?」 零ちゃんはわたしの頬をむぎゅっとつまんで引っ張った。 「いいから、寝ろ」 そう言うと、無理やりわたしを腕の中に押し込んだ。 零ちゃんの胸の音がする。 零ちゃんの香りに包まれて安心する。 包み込んでくれるぬくもりに、まるでいつもより優しくされているようで…… すうすう。 嵐が遠ざかって行く中、いつの間にか優しく深い眠りに落ちていった。 ※※※ オレはあどけない寝顔のふみを包み込んで、そばにあったシーツを胸まで引き寄せた。 安心しきって頬を寄せるふみに、お手上げだと片手で顔を覆った。 「もう少しで、理性がぶっ飛ぶとこだった。……今夜は眠れそうにねえな」 甘い寝息に愛しさが募り続ける。 艶のある髪をすくうと、そっとくちびるを寄せた─── ふたりきりの夜
如月ゆう
こんばんは。ミニ話届きました 私の住んでいる地域も、冷たい雨が降っています。二人の想いを感じながら読みましたよ。
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@りかりー:如月ゆうさん、おはようございます。 2月後半の応援特典のミニ話2枚目が届いてないとのことで失礼しました。 これからもよろしくお願いします(*´ω`*) 蒼銀の恋~銀~(2月前半に送った特典は削除してね。こっちが作り直した本日2枚送った2枚目です) 「や、やめてくださいっ!花を踏まないでっ!」 たくさんの花がばら蒔かれ男の足に踏まれた。 その花を彼女が震える両手で抱え上げた。 「オレたちはこの店を売ってもらえりゃそれでいい話なんだ。あんたにとっても悪い話じゃないだろ?金ならいくらでも出すって言ってんだから」 「このお店は、父と母が遺してくれたものなんです。売るなんてできません!」 彼女が突っぱねると、また花がばら蒔かれた。 花を守ろうとした彼女を男が蹴飛ばした。 転がる彼女……俺には関係ない。 関係ない。だが。 グァルルルル!!ガウッ!! ふたりの男に飛び掛かった。 『二度とこの店には近づくな!もし姿を見せたら今度こそその喉笛を噛み切るぞ!!』 「い、犬が、犬が人間の言葉を喋ったぁ!」 パニックを起こした男ふたりは転げるように走って消えてった。 その無様な背中を見送り、 変化して人間の姿になった。 「驚かせて悪かった。どうしても見過ごせなかったんだ。あんたが手当てしてくれたおかけで動けるようになった。礼を言う。……俺はすぐにここを出ていく。だから」 彼女を振り返ろうとして、背中のシャツをつかまれた。 「……おい?」 震える手、小さな涙声がした。 背中に聞こえたのは、ありがとうと感謝の言葉。 そして、そばにいてと引き留めるぬくもり。 「化け物だぞ、俺は」 彼女は首を横に振った。 「……いつか本当の化け物になるかもしれない。それでも?」 離れない手が答え。 それが心を揺らした。 「……おまえは、温かいな」 ふたりの物語は始まったばかり……
如月ゆう
ありがとうございました(^^)
@りかりー:如月ゆうさん、いつも応援ありがとうございます。お礼にミニ話をプレゼント! 『若恋』蒼銀の恋~銀~ 焼け落ちて崩れていく邸を見上げながら、 「どうか、……真由、あいつと幸せに」 俺は、やっと、そう思えたんだ─── 人間にはわからない僅かな鉄錆びの臭い。 臭いを辿ると、窓際でぼんやりと外を眺めている女生徒がいた。 「……今の問題を、橘 」 「公式を当てはめて。次、花水木」 授業終了の鐘が鳴り、HRが終わっても、この教室の窓から迎えの車が見えても、それでも立ち上がらない。 俯いていた彼女はやがて帰って行った。 自分をこんな目にあわせる者がいる家へと。 ※※※ 月が丸くなる夜。 狼の姿になり、建物の屋根を駆け抜け、宙を跳んで古い屋敷の庭に降りた。 「おまえはどうして儂の言うことを聞けないのだっ!」 聞こえてくるのは鈍い音と呻き声。 漂ってくるのは鉄錆びの臭い。 「アレと同じ眼で儂を見るなっ!」 発狂したように叫ぶのは彼女の父。 逃げた妻の代わりに娘を打ち据える。 俺は狼の姿で彼女に会う。 痛々しい傷をさらし、声も出さずに泣く彼女のそばに寄り添う。 「……オオカミさん。このくらい平気よ。お父さんはわたしを思ってくれてるから叱るんだもん。……心配してくれてありがとう」 彼女は狼の俺にいつもそう言う。 いつか、この地獄の日々が終わる日がくると信じて。 ※※※ 彼女が学園を休んだ。 こんなことは一度もなかった。 そして、その次の日も彼女の姿は教室になかった。 彼女の部屋へと降りると、服は裂け、まぶたは目が開かないほど腫れ上がった彼女がいた。 「わたし、……お父さんの本当の娘じゃ、ないんだって」 ああ、知ってた。 彼女はまるであの男に似ていない。 「だから……わたしのこと憎いんだって。……もう、こんなの耐えられないっ!オオカミさんっ、お願い、わたしをここから連れ出して!」 泣いたことのない瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。 彼女がどれだけ苦しんだか知っている。 俺はずっと彼女を見ていた。 狼の姿の俺にも怖れず、負った傷を手当てしてくれた優しい娘。 彼女がいなかったら、俺は生きてはいなかっただろう。 初めて彼女は俺に助けを求めた。 「ああ、もちろん拐ってくよ。ゆう、おまえを苦しめるすべてのものから守るためにな」 蒼銀の恋~銀~
如月ゆう
こんにちは!このお話が届いた2月17日には、私の誕生日でした。プレゼントが届いたみたいで嬉しかったです。遅ればせながらありがとうございました(^^)